ニュース 2024.12.23. 09:00

ロッテ・岡大海、今季も攻走守に際立った存在感

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ロッテ・岡大海(撮影=岩下雄太)
 ロッテ・岡大海は18年途中にトレードで加入してから、代打、代走、守備固め、スタメン出場と1人で何役もこなしてきたが、それも昔の話。昨季シーズン自己最多の372打席に立ち、90安打、7本塁打、33打点、37四球とあらゆる数字でキャリアハイの成績を残したが、今季もシーズン自己最多の420打席、104安打、44四球と昨季の数字を上回り、本塁打と打点は昨季と全く同じ数字を記録するなど、マリーンズには欠かせないプレーヤーに遂げた。

 昨年シーズン終了後にZOZOマリンスタジアムで行われた秋季練習では、「走攻守共にレベルアップしていきたいと思いますし、その中でも特に打撃を力を入れてやっていきたいなと思います」とオフは打撃練習に力を入れていくと話していた。

 「(オフの自主トレでは)バッティングフォームを見直して、スイングスピードを早くするためにどうしたらいいかというのを取り組んできました。ゴロを打たないように、ライナーの打球を増やせるように意識して取り組んできました」と、言葉通り打撃に重点を置きトレーニングを行ってきた。

 ここ数年、長打、出塁率にこだわっているが、今季も「出塁率にこだわっていきたいと思いますし、長打も打たないといけない。両方こだわっていきたいなと思います」と変わらず。

 打撃フォームに関しても、昨年は「朝自分で打ってみて今日はこっちのほうがいいのかなという感じで、その日その日でチョイスしながらやっているつもりです」と、足を上げて打つか、足を上げずに打つかは試合前練習で確認して試合に挑んでいたが、今季も「その日その日の体の状態もありますし、引き出しを持ってやっていきたいと思います」と、その日の状態に合わせて使い分けていく考えを示した。

打撃面で高い貢献


 今季は3月29日の日本ハムとの開幕戦、『6番・センター』で先発したが、4月7日のオリックス戦から1番を打つことが増えた。4月5日の楽天戦では、初回の第1打席、先発・岸孝之が2ボール2ストライクから投じた142キロのストレートをレフトへ二塁打を放つと、角中勝也のレフトへの犠牲フライで先制のホームを踏んだ。

 3-1の7回二死走者なしの第4打席は、岸が3ボール1ストライクから投じた5球目の低めのストレートを見極め四球を選び出塁。続く藤岡裕大の初球に今季6個目となる盗塁を決め、藤岡のセンター前のあたりで二塁からヘッドスライディングでホームインした。

 岡は1番で出場した時は「後ろにポランコ、ソトと長打力があるバッターが多いので、とにかく塁に出ようというのは意識としてあります」と出塁を意識した。

 『1番・センター』でスタメン出場した5月6日の西武戦では、1本塁打を含む2安打4打点、5月12日の日本ハム戦では先頭打者本塁打を放つなど1試合2ホーマー、5月14日のオリックス戦でも本塁打を放ち、19日のの日本ハム戦では河野竜生からレフトスタンドにサヨナラ本塁打、5月に入ってからは長打も増えた。数字を見ても4月終了時点で打率.240、0本塁打、5打点、OPSは.646だったが、5月は月間打率.308、5本塁打、11打点、OPSは.977だった。

 5月に入り長打が増えた要因について岡は「う〜ん、そうですね」と少し考えた後、「ゴロが少なくなっているのかなというのはありますかね」と答えた。

 長年こだわってきた長打率、出塁率に関しては、「5月はいい感じになっていますけど、納得のいく数字ではないので、もっと上を目指していきたい」と現状に満足しなかった。

 岡は今季に向けてシーズンオフは“スイングスピード”、“ライナー性の打球を増やせるように”意識して取り組んできた。4月23日の取材で岡は「試合ではまだ納得いっていない打球が多いですし、引っ張った打球もまだゴロとか多いので、まだまだだと思います」と話し、5月も「まだまだ納得のいくものはないですけど」としながらも、「少しずつ良くなってきているのはあるのかなと思います」と理想には近づきつつあった。

 気になるのが、オフから取り組んできた中で“納得がいっていない”部分。

 そこについて岡は「一番は引っ張った打球に対してゴロの確率が多いので、もっとライナーを求めていきたいなと思います。試合になったらなかなか難しいですけど、精度を上げていきたいなと思います」と話した。


さらに数字を上げた6月


 6月に入ると、13日のDeNA戦から7月2日の日本ハム戦にかけて12試合連続安打、15日の中日戦から25日の楽天戦にかけて6試合連続複数安打を放ち、16日の中日戦から30日のオリックス戦にかけてプロ野球新記録となる8試合連続二塁打と、数字だけ見ると打撃の状態を上げているように見えた。

 ただ岡自身は打撃の状態について「特別そんなにめちゃめちゃ良いとは思っていないですし、交流戦明け数試合なのでなんとも言えない部分はありますね」と、謙虚だ。

 試合前練習ではティー打撃の時に黒茶のバットで様々な種類のティー打撃を行い、打撃投手が投げる打撃練習では左投手の時にはセンターから逆方向の打球が目立つ。22年に取材した時には「左ピッチャーに関しては右ピッチャー以上に内からバットを出さないといけないという意識があるので、とにかくボールの内側に入れたいということで打球方向が左ピッチャーは練習ではセンターから右が多くなっているのかなと思います」と話していたが、その意識は変わっていない。


初のオールスター出場


 7月にはプロ11年目で初めて『マイナビオールスターゲーム2024』に出場し、球団では41年ぶりにオールスターで2試合連続本塁打を放った。

 昨季はシーズン途中からスタメンでの出場を増やしていったが、今季は開幕からレギュラーとして出場し、8月7日時点で出塁率はリーグ2位の.377、打率はリーグ3位の.293、7本塁打、31打点、得点圏打率.303、10盗塁、OPS.830と素晴らしい活躍を見せていた。

 8月7日の取材で「納得している部分もありますし、まだまだな部分があるので、両方あるのかなと思います」と自己評価。具体的に納得している部分について訊いてみると、「打つ方に関して、昨年より現時点(8月7日試合前練習後取材時点)では良い方向に行っているというのもありますし、ゴロが少なくなっているのが一番良いかなと思っています」と明かした。

 7月は月間打率.190だったが、8月に入ってから復調し、8月7日時点で月間打率.526と打ちまくっていたが、「今も調子が良いとは思っていないですし、7月は全体的に打っていなかったので、どれが正解なのかはいまだにわからないです。良いと思うものを続けていきたいと思っています」と自己分析した。


故障で離脱


 開幕から打線を引っ張り続けてきた岡にアクシデント。8月8日のソフトバンク戦、0-3の6回無死走者なしの第3打席、レフト線に二塁打を放つも一塁から二塁ベースに向かう途中スピードを緩めると、続く藤岡のレフト前安打も二塁から三塁へ行く時にスピードを緩めて、三塁に到達。代走が送られ途中交代。翌9日に『左大腿二頭筋の肉離れ』と診断され離脱した。

 「チームのことよりまずは自分の怪我を早く治すことだったと思いましたし、そういうことは思っていました」。

 9月4日の巨人二軍戦、『4番指名打者』で実戦復帰し、7日のDeNA二軍戦で実戦復帰後外野の守備にもついた。9月10日に一軍に戻ってくると、「後ろにポランコ、ソトさんと長打力のあるバッターがいるので、僕がランナーに出れば相手バッテリーもプレッシャーがかかると思いますし、そこはすごく思ってはいます」と、9月14日の西武戦、0-0の初回先頭の岡が四球で出塁し、2番・藤岡のセンター前の安打でスタートを切っていた岡は三塁へ進み一、三塁とし、3番・ポランコの二塁併殺の間に三塁走者の岡が先制のホームを踏んだ。同日の西武戦はこの1点のリードを先発・小島和哉、鈴木昭汰、益田直也のリレーで逃げ切り、1-0で勝利した。岡の出塁と1つ先を狙った走塁が、チームに大きな1点をもたらした。

 チャンスメイクだけでなく、下位打線が繋がり岡に打順が巡ってくれば、チャンスでの打撃が求められる。「そこは自分自身も打ちたいと思いますし、後ろには良いバッターが続くので、強引にならないように。冷静になって見極めていけたらなと思います」

 2年連続のクライマックスシリーズ進出を決めた10月1日の楽天戦は、0-1の5回に友杉篤輝のショートフライを楽天のショート・村林一輝が落球し二者が生還して、なお二死二塁の場面で、「チームの勢いに乗って打つことが出来ました」と、4回まで抑え込まれていた先発・岸孝之が1ストライクから投じた2球目のストレートを左中間に弾き返す適時二塁打を放った。

 今季は故障で離脱した時期もあり、惜しくも規定打席到達とはならなかったが、多くの打撃部門でキャリアハイ。「自分なりに気づいたことだったりとか声をかけたりしますし、若手の選手も見ていると思うので、僕自身の姿というのもちゃんとやっていかないといけないなと思います」。自身のことだけでなく、若手選手たちにも声をかけるなど、チームの中心選手としての役割を果たした。

 来年7月で34歳とベテランの域に差し掛かるが、まだまだ成長、進化を続ける岡大海。外野のレギュラー争いは熾烈だが、若手の壁として立ちはだかるはずだ。

取材・文=岩下雄太

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