新外国人選手の仕上がり具合も注目
阪神は1月9日、2月1日からスタートする春季キャンプの日程を発表。今年も一軍は沖縄県国頭郡宜野座村の「バイトするならエントリー宜野座スタジアム」、二軍は沖縄県うるま市の「うるま市具志川野球場」をメインに汗を流す。藤川球児新監督の下、V奪還を目指す新生・阪神。その土台作りとなるキャンプの見どころを探る。
●育成含め球団史上最多の外国人9人体制
残留した外国人は、2024年に59試合登板で防御率1.55、14セーブ&31ホールドをマークしたハビー・ゲラと、主に先発で8勝3敗、防御率2.47を記録したジェレミー・ビーズリーの支配下2人に加え、ともに育成で2年目を迎えるホセ・ベタンセスとアンソニー・マルティネスの4投手。そして新たに、先発候補のジョン・デュプランティアーと、2022年にメジャーで47試合に登板した救援候補のニック・ネルソンを支配下契約で獲得。外国籍投手は支配下4、育成2の6人体制となった。
助っ人野手は総入れ替え。支配下契約を結んだラモン・ヘルナンデスは、昨季メキシカンリーグで82試合に出場し、打率.313、22本塁打、71打点をマークした右打者。同リーグでは主に一、三塁を守ったが、アメリカのマイナーリーグでは外野経験もあり、キャンプではどのポジションに就くのか注目だ。さらに、内野手のジーン・アルナエスと、外野手のスタンリー・コンスエグラを育成契約で獲得。アルナエスは22歳、コンスエグラは24歳と若く、異国での“大化け”に期待したい。
●レギュラー白紙?二遊間再建は急務
2023年のリーグ優勝を支えた中野拓夢と木浪聖也の二遊間コンビだが、昨季は中野が打率.232&OPS.579、木浪は打率.214&OPS.550と揃って打撃不振。二遊間の再強化は急務だ。岡田政権では二塁・中野、遊撃・木浪でほぼ固定されていたが、監督交代で7年目を迎える小幡竜平や昨季二軍で打率.288&OPS.709をマークした髙寺望夢はレギュラー獲りの好機。昨年の秋季キャンプでアピールした2年目の山田脩也、日本ハム時代の2019年に二塁手として11本塁打を放った渡邉諒らにも期待したい。
●2番に強打者?どうなる新打線
連覇を逃した昨季はチーム打率こそリーグ5位の.242だったものの、奪った四球数(441)と出塁率.314は優勝した2023年に続きともにリーグ1位。しかし、2024年の総得点はリーグ3位の485点だった。藤川新監督は昨年の秋季キャンプの紅白戦初戦で、ともに長打が期待できる佐藤輝明と前川右京を揃って2番でスタメン起用。指揮官はこの打順についての具体的な意図は明言しなかったものの、日本球界では“つなぎ役”が多い2番打者への固定観念を排除する柔軟な姿勢を垣間見せた。
昨季は球界全体が“投高打低”の傾向にあった中で、近本光司はOPS.728、森下翔太は同.804、大山悠輔は同.721、佐藤輝明は同.766と、リードオフマンと主にクリーンアップを担った計4人は揃って7割以上のOPSを記録。しかし上述の通り、主に2番を務めた中野が同.579だったこともあり、打線全体でつながりを欠いた。中野が打率.285&出塁率.349を記録した2023年のような打撃を取り戻せば盤石だが、再び低調となればOPSの高い選手を上位に固める選択肢もありそう。新外国人のヘルナンデスや前川ら期待の若手も含め、指揮官の打順構想もキャンプ中の実戦から注目したいポイントだ。