野手陣は過渡期、ドラフトでは3連続内野手指名
巨人は17日、2月1日から始まる春季キャンプのメンバー振り分けを発表した。一軍は移籍組の田中将大投手(36=前楽天)や甲斐拓也捕手(32=前ソフトバンク)ら40人。新人ではドラフト3位の荒巻悠内野手(22=上武大)が唯一の一軍スタートとなった。積極的な補強でストーブリーグの主役となり、リーグ連覇を目指す巨人。その土台作りとなるキャンプの見どころを探る。
●熾烈な先発争い、救援陣はより盤石に!
2024年のリーグMVP・菅野智之がメジャーへ旅立ったものの、昨季ともに2ケタ勝利を挙げた戸郷翔征と山﨑伊織、来日3年目を迎えるフォスター・グリフィン、伸び盛りの井上温大とローテの軸は強固。さらに、赤星優志、横川凱、堀田賢慎、西舘勇陽、京本眞ら期待の若手もおり、日米通算200勝まであと3勝に迫っている田中も新天地での復活を目論む。
昨シーズン防御率2.27だった救援陣には、前中日の守護神ライデル・マルティネスが加わりより盤石に。開幕ベンチ入りをかけた争いは激戦必至だ。
●主力の高齢化にメジャー思考の岡本…若手野手の台頭は必須
投手陣が視界良好である一方、野手陣は過渡期を迎えている。昨シーズン三塁でゴールデングラブ賞を獲得した坂本勇人は36歳となり、打線に欠かせい丸佳浩も4月で36歳。不動の4番・岡本和真はメジャー挑戦を視野に入れている。
このような背景もあり、昨秋のドラフトでは1位で4球団が競合した左腕・金丸夢斗(関大→中日入り)を外したあと、1位で石塚裕惺(花咲徳栄高)、2位で浦田俊輔(九産大)、3位で荒巻と3連続で内野手を指名。即戦力候補の浦田や荒巻は、中山礼都、秋広優人、浅野翔吾らとともにチーム力底上げの中心を担いたい。
●岡本のあとを打つ5番問題…キャベッジはハマるか!?
昨季は球界全体が“投高打低”の傾向にあった中で、チーム本塁打数は164本だった2023年から2024年は81本に半減。得点数も523から462に減少した。特にシーズンを通して5番打者の人選に苦慮し、岡本が全143試合で4番に座り続けた一方、スタメン5番の起用人数は12人。CSファイナルでは第1戦から5番に入った打者が計11打数無安打と沈黙し3連敗。DeNAに下剋上を許す要因となった。
新たな5番候補として、2023年にエンゼルス傘下の3Aで打率.306、30本塁打、89打点、32盗塁をマークした左打ちの外野手トレイ・キャベッジを獲得。まだ27歳と若く日本野球に順応できれば、しばらく中軸を任せられそうな素材だ。育成選手だが、フリアン・ティマとマレク・フルプの大化けにも期待。ただ近い将来、岡本がメジャーへ旅立つことも考慮すれば、外国人頼みではなく秋広や浅野ら日本人野手の成長は欠かせない。
巨人キャンプのメンバー振り分けは以下の通り(変更の可能性あり)。
【一軍】
<投手=20人>
田中将大、大勢、西舘勇陽、山﨑伊織、戸郷翔征、フォスター・グリフィン、赤星優志、カイル・ケラー、田中瑛斗、又木鉄平、アルベルト・バルドナード、船迫大雅、横川凱、泉圭輔、石川達也、平内龍太、堀田賢慎、ライデル・マルティネス、井上温大、京本眞
<捕手=4人>
甲斐拓也、大城卓三、岸田行倫、山瀬慎之助
<内野手=8人>
吉川尚輝、門脇誠、坂本勇人、岡本和真、泉口友汰、中山礼都、秋広優人、荒巻悠
<外野手=8人>
長野久義、丸佳浩、萩尾匡也、トレイ・キャベッジ、エリエ・ヘルナンデス、佐々木俊輔、オコエ瑠偉、浅野翔吾
【二軍】
<投手=15人>
今村信貴、高橋礼、近藤大亮、馬場皐輔、中川皓太、森田駿哉、高梨雄平、宮原駿介、大江竜聖、菊地大稀、山田龍聖、戸田懐生、松井颯、田村朋輝、富田龍
<捕手=4人>
小林誠司、郡拓也、喜多隆介、坂本達也
<内野手=6人>
湯浅大、増田大輝、石塚裕惺、浦田俊輔、増田陸、中田歩夢
<外野手=7人>
岡田悠希、重信慎之介、若林楽人、笹原操希、フリアン・ティマ、マレク・フルプ、舟越秀虎
【三軍】
<投手=19人>
田中千晴、石田充冴、三浦克也、堀江正太郎、鈴木圭晋、千葉隆広、木下幹也、園田純規、吉村優聖歩、西川歩、吹田志道、森本哲星、エルビス・ルシアーノ、黄錦豪、0鴨打瑛二、直江大輔、花田侑樹、代木大和、石田隼都
<捕手=3人>
坂本勇人、大津綾也、亀田啓太
<内野手=6人>
村山源、田上優弥、宇都宮葵星、相澤白虎、竹下徠空、北村流音
<外野手=4人>
鈴木大和、三塚琉生、平山功太、大城元