ブルペンで投球練習するロッテ・武内涼太[撮影=岩下雄太]

 「自主トレでやったことをやるっていう風にやっていたんですけど、うまくできたこともあったし、うまくできなかったところもありました」。

 ロッテの育成2年目・武内涼太は石垣島春季キャンプ初日のブルペンをこのように振り返った。

 高卒1年目の昨季は体づくりがメインで、ファームでの登板は2試合だった。体づくりでは昨年6月17日の取材で「だいたい10キロくらい上がりました。83キロくらいから92とかくらいまで上がった」と話していたが、現在は「キープというか維持していたので、10キロアップくらいでとまっていますけど、筋肉量であったりは増えているのかなと思います」とのこと。

 体を大きくした時に、「体は順調にできていて、技術と感覚がすり合わないところがある。体をもっと鍛えながら、技術向上というか、自分の新しい感覚を探している段階ですね」と自分の頭で描いたことを体で表現するのに苦労していたが、そこについても「そうですね、その時と比べると大きく成長していると思います」と手応えを掴む。

 体づくりにより6月17日に取材した時は「体がどんどんできてきているので、まずは50、スピードにもこだわっていきたい」と最速は149.9キロだったが、現在は最速154キロまでアップ。

 ストレートの球速が上がったことについて、「自分のスピードボールは武器ですし、数字で印象付けるというか、スピードを持っていることは相手に対しても武器になる。それはいいことかなと思います」と笑顔を見せた。

 変化球に関しても「フォークはまだまだ全然ですけど、カーブは少しずつですけど良くなって、カーブはストライク率を上げていきたいと思っています」とカーブは好感触。

 1月はチームメイトで先輩の西村天裕にお願いして、青柳晃洋の自主トレに参加。「青柳さんのところで自主トレをやったんですけど、足をついて投げる、足をついてから投げられたら、楽には投げられますし、今自分が一番大事にしている方向性、その後にタイミングを意識していきたいと思います」と充実の時間になった。

 春季キャンプは石垣島スタートで切った。「ピッチングだったら強気な部分であったり、広い範囲で見てもらいたいと思っています」としっかりと一軍首脳陣にアピールするつもり。

 2年目の今季に向けて「怪我をしたらアピールすることもできない。アピールするのは当たり前なんですけど、そこに一喜一憂しすぎず、自分のやるべきことをシーズン通して投げ切れるようにしていきたいと思います」と意気込んだ。

 伸び盛りの育成2年目右腕。体を大きくした昨季はストレートのスピードが飛躍的にアップした。2年目の今季はどんな成長曲線を描くか、非常に楽しみだ。

取材・文=岩下雄太

もっと読む