セ・リーグ4位からの逆襲を狙う広島に激震が走ったのは今月2日。正捕手を務める坂倉将吾が右手中指を骨折し、開幕に間に合わないことが判明した。

 坂倉が天性の打撃センスを発揮し、頭角を現したのは2021年。本職の捕手以外に一塁や三塁といったポジションを守りながら、22歳の若さで規定打席に到達した。その後も安定した打撃力で、今季もチームを引っ張る立場になるとみられていたが、開幕を前に痛恨の離脱となった。

 1月には同じ捕手の石原貴規が左手関節を手術しており、広島にとってはまさに非常事態。坂倉の戦線離脱を受け、すかさず36歳のベテラン會澤翼を一軍に合流させ、何とか打開策を模索する構えだ。

 2人の離脱で現在、支配下登録されている捕手は5人だけ。ケガの状態次第では、育成ルーキー安竹俊喜の支配下登録か他球団とのトレードも視野に入るかもしれない。

 ただ、広島には捕手からコンバートされた野手も少なくない。その代表格が2017年のドラ1中村奨成と、昨季一軍デビューを果たした二俣翔一の2人である。

 外野手登録の中村奨は22年を最後に一軍でマスクを被っておらず、捕手事情が更なる難局に陥らない限りこのまま外野手を務めることになるだろう。

 一方で、二俣は内野手登録ながら、中村奨と同じくもともと捕手として入団した選手。昨季はバッテリーとセンター以外の6つのポジションを守るなど、まさにオールラウンダー。“3人目の捕手”として開幕を迎えてもおかしくない。

 その二俣だが、キャンプから練習試合、オープン戦を通じてちょっとした話題になっていた。

 思い起こせば、昨季は開幕直後に新外国人のレイノルズとシャイナーが相次いで故障離脱したことで急遽一軍に合流を果たした。二俣はプロ5打席目で初安打を記録すると、初スタメンの試合で本塁打も放ち、そのままユーティリティープレーヤーとして一軍に定着した。

 ただ、昨季の打率が.196だったように、打撃力向上が大きな課題だ。そこでより確実性を高めるため、オフに取り組んだのが打撃フォームの改造だった。

 新たなフォームは、端的にいえば、DeNAの宮﨑敏郎そのもの。軸足の右足に重心を乗せ、手の位置は胸よりもやや低いところに置いている。宮﨑にそっくりなのはその構えだけでない。スイングの鋭さや、フォロースルーまでほぼ同じで、SNSでは「二俣が宮﨑すぎる」と話題になった。

 セ・リーグの首位打者に2度輝いている宮﨑の打法を習得できれば、成績アップは必然だろう。オールラウンダーからレギュラー獲得へ、二俣が覚醒するのは時間の問題だ。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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