「深く考えず自分のピッチングをするだけだと思っているので、1日1日を大切に頑張りたいと思います」。
ロッテの西村天裕は熾烈なリリーフ陣の競争を勝ち抜くため、自分のピッチングをすることを心がけてマウンドに上がっている。
春季キャンプは都城スタートも糸満キャンプから一軍に合流。対外試合初登板となった2月20日のDeNAとの練習試合で1回3失点、続く2月23日の韓国・ハンファとの練習試合でも1回1失点と2試合連続で失点したが、3月1日の韓国ロッテとの練習試合から現在対外試合3試合連続無失点中だ。
9日のソフトバンクとのオープン戦では5-4の7回に登板し、先頭の笹川吉康に初球の133キロスプリットをライト前に運ばれるも、続く川村友斗を134キロのスプリットで右飛。代打・中村晃を1ボール2ストライクからインコースの127キロ縦に落ちるスライダーで2アウトとし、続くリチャードの打席で二塁盗塁を試みた笹川を捕手・立松由宇が刺した。この日は1回を投げ、わずか9球にまとめた。
◆ オフからの取り組み
西村はこのオフ、キャッチャーミットを突き刺すような強いストレートを投げるため、上半身と下半身を意識して投げることを取り組んできた。実戦が始まってから「最初の方は上半身で操作しているところがありました。最初試合に入った時は簡単に飛ばされたりとかがあったんですけど、そこでもう1回ジョニーさん(黒木知宏投手コーチ)、澤田(圭佑)とか普段見てくれている人と話していたら、いい時はもう1個深く入れているよね、みたいなものがあった。もう1個下半身をさらに使うイメージを持っていったら横浜戦は良くなっていた。やってきたことプラス、もう1個意識をプラス持つことでいい感じにできてきているのかなというのはありますね」と明かした。
3月1日の韓国ロッテ戦では、4-3の8回二死走者なしで右のジョン・フンに対し2ボール0ストライクとなるも、3球目、4球目のストレートでファウルをとって追い込み、5球目のスプリットがストライクゾーンからボールゾーンに落ちる空振り三振で仕留めた投球が良かった。「良かったですよ。だいぶ良くなりました」と西村。
ストレートでファウルが取れて、スプリットで落とすというのが理想系なのだろうかーー。
「それが一番ですけど、結果あの三振になったのは真っ直ぐでファウルを取れた結果、スプリットも振ってくれたのかなと思うので良かったです」。
続く3月4日のDeNAとのオープン戦は1回を無失点に抑えるも、28球を要した。同日は非常に寒かった。寒さが関係していたため、球数が多くなってしまったので、そこは仕方がなかったと見ていいのだろうかーー。
「それは言い訳になるので、はい。真っ直ぐとスプリットを投げていく中で、スプリットでカウントがうまく取れていなかったりとか、真っ直ぐでファウルはあったんですけど、フォーク、スプリットを見極められたりというのがあった。次はどうやったら見極められないのかなという風に繋げていく投球だったかなと思います」。
3月に入ってからはスコアボードに0を並べている。「やりたいことはできています。真っ直ぐでファウルを取るのと、打者有利なカウントの時にどれだけ真っ直ぐでファウルを取れるかが大事だと思う。そこはできているのかなと思います」と好感触。
「もう1個スプリットを真っ直ぐの軌道に入れて、振ってくれるラインを出せるようにやっていけたらなと思います」とスプリットを修正して、開幕一軍を目指し、与えられた登板機会でゼロに抑えていく。
取材・文=岩下雄太