ブルペンで投球練習するロッテ・西野勇士[撮影=岩下雄太]※撮影2024年

 「特に変えたことはないですね。フォーム的な微調整はありますけど、今はゲームに向けて球の精度を上げていく段階かなと思います」。

 ロッテの西野勇士は新シーズンに向けて、着々と準備を進めている。

 西野は先発再転向となった23年に8勝、昨季はシーズン自己最多タイの9勝をマーク。24年シーズンに向けたオフは、肩の負担が少し軽くなるようなピッチングフォームを作るなど、“ピッチングフォーム”を見直していたが、今オフはどんなことをテーマに過ごしてきたのだろうかーー。

 「感覚的にいうと、去年は調子が悪くて一昨年がすごく良かったので、一昨年のシーズン前みたいな過ごし方をしようかなという感じでやっていました」。

 2月の春季キャンプは今年から初めて行われた都城でトレーニングを積んだ。「めちゃくちゃ寒かったですけど、(石垣島春季キャンプだと)体がちょっとずつ動かないところに行くので、そういう意味ではすんなりオープン戦に入っていけたかなと思っています」と石垣島に比べて寒かったが、シーズンに向けて準備する上で、全く問題がなかったようだ。

◆ 投球面

 投球面でいうと、昨季は交流戦前の取材から何度もストレートを課題にしていると話していたが、ストレートに関しては「今年は結構いい感じに来ているのかなと思います」と手応え。

 武器であるフォークは3月6日の広島とのオープン戦では、ほとんど投げていなかった。「調子が悪いというか、練習中です。握りを変えてしっかり落ち幅を出そうとしていて、今はその練習中です」と明かした。

 スライダーは、3月6日の広島とのオープン戦、0-0の初回一死走者なしで山足に1ボール1ストライクからの3球目に129キロ縦に落ちるスライダーで空振り三振に仕留めていた。今季は縦に落ちるスライダーを投げていく考えなのだろうかーー。

 「用途というか、ゾーンに投げたいスライダーと大きく横に曲げてカウントを取りたいスライダー、別々の球ではないんですけど、自分の意図で使い分けていますね」とのこと。

 実戦では昨季投げなかったが、練習していたカットボールを、今季使っていくかどうかも気になるところ。2月27日の西武との練習試合、0-1の初回二死三塁で西川愛也を左飛に打ち取った球種はカットボールのように見えたが、本人に確認すると、「違いますね。真っ直ぐの質が悪くなってしまうので、カットボールは1回やめようかなという感じです」との考えを示した。

 今季も先発ローテーションの一角として期待される西野。「とにかく投げたいです。自分自身、ここ2年の数字は必ず超えていきたいし、とにかくイニングをたくさん投げたい」。当然、中6日で投げたいという想いも持っている。「(中6日で)投げたいです、僕は。毎年言っていますけど、いろんな兼ね合いがあるので僕はなんともできないですけど、投げられるだけイニングはたくさん投げたいと思っています」。

 今季プロ17年目、6日に34歳となり、ベテランと呼ばれる年齢になったが、向上心、貪欲さは若い頃とは変わらない。今季も若手に負けじと、先発ローテーションの一角として投げ抜いて見せる。

取材・文=岩下雄太

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