◆ 笑顔の会見
DeNAは14日、九鬼隆平捕手と庄司陽斗投手の支配下登録記者会見を横浜スタジアムにて行った。
九鬼は2016年ドラフトで秀岳館高からソフトバンクに3位指名を受け入団も、23年オフに戦力外となり、昨シーズンからDeNAと育成契約を結んでいた。昨年度はファームで55試合出場し、打率.264、本塁打3、打点10の数字を残した。
庄司は青森大でベストナインに輝く活躍を見せ、23年ドラフトで育成4位でDeNAに入団。184センチの大型左腕はファームでリーグ2位の8勝をマークし、ファーム日本選手権でも先発としてチームを勝利へ導く好投を披露し、最優秀賞選手にも選出された。
ともに今年はA班(一軍)のキャンプに抜擢され首脳陣に直接アピール。その甲斐もあり、シーズン前での“背番号二桁”を掴んだ。
◆ 2年目での支配下ゲット左腕
会見でまず庄司は「本当に素直に嬉しいっていう気持ちがもちろん1番。去年1年間やってきたことが、今報われた」と喜びを表現。昨年オフに自主トレをともにした今永昇太からも「そこは通過点として、やっぱり一軍で活躍するのは大事だよっていう風に言われた中で、まあ普通だろっていう感じで話をいただきました」と砕けたトーンで祝福されたと明かした。
昨年のルーキーイヤーには「育成のスタートなので、支配下に向けてやるっていうのが1番自分のやるべきことだなっていう風に思ったんですけど、やっぱり飛び級はないと思ってたので、確実に1歩ずつ自分の課題を潰しながら1年間通してやってきました」と地道な取り組みを続けたと告白。
その結果の支配下登録に「今度は1軍の舞台で活躍する、一軍のチームの優勝に貢献する立場に変わるので、そういう目標を持ってやりたいなと思います。気合い入れて投げるってのが僕のモットーで、やっぱりどんなバッターでも、どんな場面でも立ち向かっていくっていうのが1番です」と決意。そのうえで「技術的な面はまだまだ足りないんで、気合だけじゃこの先は戦っていけないと思うんで、改めてこう自分の課題と見つめ合ってやりたいと思います」と足元を見つめながらレベルアップを目指すとした。
二桁背番号を手にした今シーズンは「この時期に登録ということは、1年間を通して必要な存在になるっていうこと。1年間しっかりやり抜けるように、しっかり準備したいなと思います」と晴れ舞台での活躍を誓った。
◆ 元気印の捕手
また九鬼は「まず言われた時は素直に嬉しかったです」としながらも「でも、僕の場合は庄司とは立場が違うんで。前(ソフトバンクで)は支配下だったので、支配下に戻ったっていう形になる。今やっとまたスタートラインに立てたかなっていう気持ちなんで、まだまだこれからが勝負かなと思ってます」と引き締まった表情で第一声。
昨年は「ソフトバンクの時になかなか試合出ることができず、戦力外になって拾ってもらったんで、僕の中ではDeNAさんに恩もありました。その中で自分が1軍でやるためにはどういうことをしていかないといけないのかっていうのを、1年間考えながら行動してきたつもりなんで。どちらかというと支配下を目指していくよりは、一軍の舞台で自分が何ができるのかっていうのを考えながら、去年1年は過ごしてました」とイメージトレーニングに着手。具体的には「1番はバッティングかなと思ってたんで。ホークス最後の年とその前の年も全く打てなかったんで、そこをどうにかしないと一軍ではやっていけないなっていう風には思ってたんで、特に力を入れてやってました」と打撃力向上に勤しんだと明かした。
キャンプでは「バッティングとか守備とかでアピールするのはもちろんなんですけど、誰よりも目立とうと思って、とにかく声を出して。僕も気合でやるようなタイプで、そこは自分の持ち味だと思っています。そこを出せたらなと思ってやってました」と持ち前の“元気印”で勝負をかけたとキッパリ。本業のキャッチャーのほかにファーストにも挑戦していることにも「試合に出る機会があるならどこでもやりたいと思ってます。やっぱりキャッチャーやりたいっていう思いは強いですけど、自分の持ってるものが発揮できるならば、このプロ野球で生きていくには必要だと思いますし、チャレンジできることはどんどんやっていこうと思います」と語気を強めた。
そのうえで「今のベイスターズのキャッチャー陣の層が厚いっていうのはもうわかってること。そこに割って入るには、まず打てないとダメかなって思ってるんで。右の代打も割と少ない方だと思うんで、そういうところからちょっとずつ結果を残していって、最終的にはやっぱり正捕手として頭から試合に出るっていうところが目標。まず1歩ずつ自分のできることをしっかりやっていこうかなと思います」と先を見据えた。
一軍のきらびやかなステージに登る権利を得た2つの星。開幕を間近に控えたベイスターズに新たな風を吹かせてみせる。
取材・文・写真:萩原孝弘