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16日の巨人戦に先発予定のカブス左腕「子どもの頃はカズヒロ・ササキさん、イチロー・スズキが私のヒーロー」と話したワケ

16日の巨人戦に先発予定のボイド(撮影=ニッポン放送アナウンサー・洗川雄司)

 16日に行われる巨人とのプレシーズンマッチに先発予定のカブスのマシュー・ボイド投手が記者会見を行った。

【一問一答】

ーー日本に来てしばらく経ちますが、最高の1番良かった経験はなんでしょうか。

「もう全てが素晴らしいです。ずっとずっと私は東京に来ていろんな経験をして日本の文化を接したかったので、いろんな方がいろんな、ちょっとした知恵を教えてくれて、特に誠也と今永が本当によくしてくれて。街を歩くだけでも道は綺麗で、人々は親切で、本当に素晴らしいです」

ーー2つ目の質問です。メジャーリーグベースボールを代表したあなたたちは来日してますが、これまでメジャーリーグベースボールと日本のベースボールの違いは何でしょうか。肉体的な違いでしょうか。

「そうですね。肉体的な違いは感じます。大きな違いという意味ではなくて、違いがいくつかあるというニュアンスです。細かなところですね。いろんなものをお土産として持ち帰りたいですけれども。我々はメジャーリーガーなので、我々のしきたり、メジャーリーグのベースボールをしたいと思ってます」

ーー昇太がチームに合流して、ローテーションで何か大きく違いが生じましたか。チームの中で、特にあなたは同じレフティーとして、スターターですけれども。それから、たぶん6人のローテ、中6日なんですかね。そのあたり、聞かせてください。

「自分のような中堅選手がアプローチを変えるということは非常に大きなチャレンジです。昇太のようなプロフェッショナルが参加してくれて、彼のようなプロフェッショナルを近くで見て、彼の成功を学ぶ。それから、彼は彼でメジャーリーグにアジャストしようとしてます。そういったものがチームに、それから私に大きなものをもたらしてくれてます。彼がいかに打者を打ち取るか。ビジネスですね。どんなこと考えてるか、と本当に彼と会話するたびに素晴らしいなと感銘を受けています。昨年の昇太の成績は本当に誰もが驚くことだと思います。でも、それは大きな驚きではありません」

ーーここ数日の時差の調整を含めたもの調整どうでしょうか。スローイングのルーティーンとか、異国に来ていろいろ調整が必要だと思うんですけれども、あすに向けて何か特別なことをしていますか。

「あすの(巨人戦の)先発の予定なんですけれども、私は幸いなことに移動日も含めて長めの休養をいただいたので、国は違えど、大きな調整のアジャストは必要ありませんでした。きのうルーティン通り、ブルペンのセッションで投げましたし、あす先発の予定です。大きな違いと言えば、アメリカはあす3月15日だけれども、東京は3月16日。
それぐらいかなと思ってます。小さな違いはあげればキリがありませんが、大きな問題はありませんし、私にとってこの機会は本当に最大のチャンスなので、あすのピッチングで自分は何ができるか証明したいと思ってます」

ーーあすの先発ですけれども、東京ドームを本拠地とする読売ジャイアンツが相手。雰囲気も含めてたぶん素晴らしいゲームになると思います。どんなことを今、思ってらっしゃいますか。

「間違いなく私にとって、ジャイアンツの本拠地で、東京ドームで投げる、先発するというのは、もう本当にスペシャルな経験になります。この機会は本当に貴重です。私自身の話で言うと、シアトルで生まれ育ち、シアトル・マリナーズの大ファンとして育って、子どもの頃はカズヒロ・ササキ(佐々木主浩)さん、イチロー・スズキが私のヒーローでした。彼らの存在が自分の野球人生に大きな影響をもたらしてくれました。そんな僕が2人の英雄の母国である日本で先発する機会を与えられた。こんなに大きな喜びはありません。しかも東京ドームです。私がこのオフ、シカゴ・カブスと契約した時に、カブスは来日の予定があるということを知っていましたので、もし、私が先発ローテーションに入って東京遠征のメンバーに選ばれるなら、先発したいな、とは思っていました。そして、それが実現します。想像してみてください。子供の頃、あなたのヒーローたちが生まれ育った国で、あなたが先発できるなんて。こんなに大きな喜びはありません。あす、本当に一生のものになると思っています」

ーーシアトル時代、イチロー選手が素晴らしい成績を収めましたが、ピッチャーであるあなたにとって、マリナーズ時代のイチロー選手はどのように映っていたんでしょうか。

「本当にリスペクトしかありません。素晴らしいの一言です。私のような人間がコメントするには及びませんけれども、シアトルでプレーした時に少しだけですけれども交わることもできましたし、少しでしたけれども、彼と会話する機会にも恵まれました。ことし彼が野球殿堂に選ばれましたが、そんな彼と接することができたことは自分の誇りですし、彼の成績は見れば見るほど信じがたい、素晴らしいものですし、彼が何をしてきたかっていうことを子どもの頃、毎日毎日見ていて、その積み重ねがこんな素晴らしい成績につながったということは、信じるに難しいことではありません」

ーーシアトル時代のことを教えてください。シアトルで生まれ育ちながら、NPBのことも興味を持って見ていたと。もう少し詳しくそのあたりの話を聞かせていただけませんでしょうか。

「イチロー選手が海を渡るまでは、そんなに日本のゲームがアメリカ本土で中継されることはありませんでした。しかし、イチロー選手、そして時を同じくしてシアトルでは佐々木さんがクローザーとして君臨されていて、この2人のキープレイヤーたちが大きな影響を私に及ぼし、自分に、もう一つの野球があるということを気づかせてくれました。彼らのタレント能力は本当に素晴らしいですし、王貞治さんの成績を知ったときには、こんな選手がいるんだ、と、本当に私にいろんなことを気づかせてくれました。それは大きな喜びです」

ーーこのオープン戦ではピッチクロックのルールが適用されませんが、どうでしょうか。

「私にとってピッチャーとしては細かなところまでこだわりたいので、ピッチブロックが適用される、されないにかかわらず、シーズンに影響を及ぼすことはしっかりメンテナンスしていきたいので、やることはやりたいですし、30秒で3球投げるようなこともしないですし、一塁ベースのカバーも怠りたくないですし、6か月のシーズンをベストで迎えるためのオープン戦なので、細かなルールはシーズンのためにすべてやろうと思ってます」

(取材=ニッポン放送アナウンサー・洗川雄司)

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