ロッテの唐川侑己はファームで安定した投球を披露し続けている。
唐川は3月9日のソフトバンクとのオープン戦に登板し3回・46球を投げ、3被安打、3奪三振、無失点の投球を見せたが、オープン戦はこの1試合の登板で、現在はファームで過ごす。
ファームでは3月18日のオイシックス戦に先発し、3回1/3を投げ1失点。この日は「実戦に入ってきた中で、そこの感覚だけは実戦の中でしかできないと思っているので、積極的に投げるようにしています」と、左打者と右打者のインコースにカットボール、ストレートを多投した。0-1の3回一死一塁で右打者の大川を1ボール2ストライクから見逃し三振に仕留めた7球目のインコース143キロカットボールが良かった。「ラインは多少ずれて入るんですけど、メリハリの中で投げられたかなという感じがします」と振り返った。
また、この日は速いカーブと遅いカーブを投げ分けていた。その意図について訊くと、「カウントを取りにいく時と、低めに制球したい時で感じは違うかなというのはありますけど、自分の中では基本的に一緒です。緩急はちょっとつきますけど」と説明。
続く3月27日の楽天二軍戦では、6回を投げ1失点にまとめたが、同日は昨年から取材のたびに“練習中”と話すことが多かったスライダーを多投。自信を持ってスライダーが投げられるようになったからだろうかーー。
「自信が出てきたというほどではないですけど、それも組み合わせの中で楽天戦は長打も打たれていたし、バッターに気持ちよく振られていたので、目先を変える意味でもスライダーが増えたかなという感じですね」。
スライダーは去年に比べて、「感じは良いかなと思います。ブルペンでもしっかり投げられているし、はい」と好感触。気になるのは、今季は横のスライダーを多めに投げていきたいと1月の自主トレ期間中の取材で話していたが、オープン戦、二軍の公式戦を見ると、縦に落ちるスライダーも投げているのが気になるところ。
「縦とか横とか意識していなくて、スライダーならなんでもいいわけではないですけどと、思って投げています」。
それは腕の振りを変えると縦に落ちているのだろうかーー。
「意識ですかね。低めに投げようと思ったら縦気味になるし、という感じですね」。
また、楽天二軍戦で気になったのは、チェンジアップの軌道が変わったように見えたこと。本人に確認すると「変わっていないですね。軌道はそこまで意識していませんね」と教えてくれた。チェンジアップに関しては「ストライクが取れていればいいかなと思っているので、悪くはないかな。もうちょっと精度をあげたいなと思っています」とのことだ。
4月5日のDeNA二軍戦でも5回を投げ、4安打無失点と、しっかりとゲームを作った。現在の調子について唐川は「どうだろうな〜」と少し考えた後、「普通です」と話し、「普通って難しいです。二軍の試合で投げられるという感じです」と続けた。
現在ロッテの一軍の先発陣が充実していることに加え、この先4月中は一軍は6連戦がない状況。いつ一軍から声がかかってもいいように、ファームで結果を残していく。
取材・文=岩下雄太