ロッテの石川柊太が14時から行われるソフトバンク戦に先発する。
前回登板の4月22日の西武戦は、初回に27球を要したが、5回2被安打1失点とゲームを作った。1巡目はストレートとカーブが中心で、2巡目以降は変化球を満遍なく投げていた印象。
「そうですね、最初は自分の良い球というか、自信のある球で攻めていって、そこは相手バッターを意識していない球が全体的にもあったので、フォークを増やしていこうかなと。カットボールの調子が良くなかったので、すごく大変でしたけど、あそこが良くなればもっといいのかなと思いながらという感じですね」。
“相手バッターが意識していない球”で言えば、0-1の2回一死走者なしで古賀悠斗を1ボール2ストライクからインコースの132キロフォークで見逃し三振に仕留めたが、打者の古賀は予想していなかった反応を見せていた。「自分も思っていない球だったので結果オーライなので、反省する1球ではありました」と振り返った。
0-1の5回先頭の長谷川信哉を2ストライクから3球目の142キロ外見逃し三振ストレートなど、同日の西武戦ではストレートが良かったように見える。ただ石川本人は「思っていたところに投げきれていない部分もありましたし、4回とかしっくり来ないぶん、探りながらやっていたので、大変な感じでした。一概には良いなという感覚はなかったんですけど、なんとか粘れたかなと思います」と明かした。
変化球でいえば、0-1の3回二死一、三塁でセデーニョを2ストライクから空振り三振に打ち取った125キロの外角カーブも良かった。
「あそこに投げきれれば、バットも間に合わないのかなと思いますし、結果論ですけど、初回のネビンのところであのカーブを投げられていたら、ヒットにはなっていなかったのかなと思いますけどっていう感じです」。
気になったのは、セデーニョを三振に仕留める前の打者だったネビンに対して、2ボール2ストライクから4球目のインコース高146キロストレートがボールになり、5球目のインコース145キロで見逃しストライク、6球目の外角カーブが見極められ四球となったが、6球目の外角のカーブで空振りさせたい狙いはあったのだろうかーー。
「そうですね、より厳しくいこうと思って、そうしたら引っ掛けすぎちゃったので、もったいなかったなと思います」。
5回を1失点にまとめながらも、登板後に球団の広報から送られてきた談話に「全体的にテンポが悪いピッチングになってしまった」とあった。見ていてテンポの悪さをそこまで感じなかったが、どういったところにテンポの悪さを感じたのだろうかーー。
「自分のイメージしているボールではないボールがいっているというところで、余計なボール球が多かったかなというのはありますけど、そこが自分の中でテンポが悪かったのかなと思いますね」。
石川は移籍後初登板から3試合に先発しているが、ここまでの3試合は自身が思い描いた投球ができているのだろうかーー。
「最低限はできているのかなと思いますね。よりよくなっていくんじゃないなかなと思いますし、より良くしていくつもりもあります。もっと精度というか、それぞれのボールの質を高められるのかなというのがありますので、それだけですかね」。
抑えていながら、勝ち星が恵まれていないところは気になるところではある。石川本人は「そこは散々経験しているので、マインド的にネガティブになるものではないので、全然気にしていないですね」と前を向く。
「球数をもっと減らして、無駄な球を減らして、より三振をとっていきたいなというのは前提にありますよね。そこが一番目指すところではありますし、3球三振というところを常に目指して、そういうのを増やしてコマンドも質も上げていきたいと思います」。昨季までホームとして戦っていた慣れ親しんだみずほPayPayドームで移籍後初勝利を手にして見せる。
取材・文=岩下雄太