「状態は変わらず、大丈夫です」。
ロッテの西野勇士は4試合・22回を投げ、0勝2敗、防御率3.27と今季未勝利ではあるが、変わらず強いストレート、好調を維持している。
前回登板の4月29日のオリックス戦では、初回31球を要しながらも無失点で切り抜けると、2回に廣岡大志に一発を浴びたが、3回以降はスコアボードに0を入れた。同日のオリックス戦は5回・91球を投げ、5被安打、5奪三振、2与四球、1失点、序盤球数を投げながらもしっかりとゲームメイクするあたりは、百戦錬磨のベテランがなせる技だ。
西野はオリックス戦の投球に「全体的に悪くはなかったです」と振り返り、「いいコースにいった球をカットされたりとか色々あって、球数が増えちゃった感じです。全体的に調子も悪くなかったですし、という感じでした」と自己評価した。
自身の状態をキープするために、取り組んでいることについて西野は「とにかく日々のキャッチボール、しっかり自分の感じを確認したりとか、いろんなチェックポイントを持っているので、しっかりチェックしながらやることですかね」と明かす。
勝ち星はついていないが、取材のたびに口にしているゲームを作ることだけをマウンドに上がる。
◆ 後輩たちから刺激
今季は西野と共に自主トレを行った田中晴也が先発ローテーション、中森俊介もリリーフで存在感を示し、高卒2年目の木村優人も一軍で素晴らしい投球を披露するなど、若い投手が台頭してきた。
西野に若い投手が出てきたことに刺激を受けているか訊くと、「もちろん、それはあります」と即答。「刺激もあるけど、僕みたいな、いわゆるベテランという人が、ベテランの仕事をちゃんとすることがチームの役割として大事なことだと思うので、ただ単純に若い子と競い合う感じではないのかなと思います」と話した。
若手投手たちは、西野からどんなことを学んでいるのだろうかーー。西野と自主トレを行った中森と田中晴に聴いてみた。
中森は「西野さんと(自主トレ先のアメリカに)行けたことで、いろんなリカバリー方法だったり、考え方だったりっていうのを教えていただいたんで、すごくためになったアリゾナでした」と、充実の時間を過ごしたという。
田中晴は「キャッチボールの質をすごく大切にしていますし、キャッチボールが一番大事な練習ということを再確認することができました。質というのは今もこだわってできています」と教えてくれた。
後輩たちから刺激をもらい、チームのために仕事をするベテランがいる。18時からの西武戦で、今季初勝利を挙げたいところだ。
取材・文=岩下雄太