安定感バツグンのアンソニー・ケイが初回に先制パンチを喰らうと、ロッテ先発の石川柊太の前に打線は沈黙。このカード3連勝だけが交流戦5割の最低条件だったが初戦を取れず、その夢も絶たれてしまった。
交流戦打率ワーストの打線はこの日も奮わない中、ケイも悪いながらもゲームは作り、後を継いだ宮城滝太も回跨ぎで無失点と踏ん張った。しかし3点差の9回、デビュー戦となったハンセル・マルセリーノが乱調の上、ネフタリ・ソトに頭部デッドボールを与え危険球退場。緊急登板となった岩田将貴もデビュー戦と厳しい状況で、満塁からデッドボール、さらにフォアボールを与え致命的な2点目を失った。
三浦監督はマルセリーノに「ビハインドのところでしたがマルセリーノも初登板ですし、緊張もあった中でいいものも見せてくれた部分もありました。もちろん全てがうまく行くわけではなく、ああいう形で交代になりましたけども…」とし、岩田も「準備はさせてたんですけど、急遽の登板で満塁。酷なところでの初登板になりました。1つアウトの取り方は良かったと思います」といいところをピックアップ。
ただし「僅差や同点の場面ですよね。今日は宮城が抑えてくれましたけれど、(中川)虎大、颯、堀岡とかもしっかりと行けるようにしてもらわないと。マルセリーノもそうですし、左のところで岩田も、今後は行けるようにしていかないといけないと思っています」と同点やビハインドのケースで、チームに流れを持ってくるピッチングをできるようにすることの重要性を説いた。
先発4本柱はほとんどQSを達成するほど安定し、勝ちパターンのリリーフは伊勢大夢、ローワン・ウィックから入江大生につなぐ勝利の方程式が確立。それだけに同点やビハインドの場面で役目が回ってくるリリーバーたちは出番も限られ、調整も難しくなっている。それでもそこで抑え切り、打線の反撃を待つ役割を果たすことは、上位を狙う上で欠かせないポイントとなってくる。
取材・文・写真:萩原孝弘