阪神・佐藤輝明 (C)Kyodo News

 3週間にわたる交流戦も、雨天中止になっていた24日の「ロッテ対巨人」がフィナーレ。今年はパ・リーグがセ・リーグを圧倒した。

 結局、セ・リーグは勝ち越し球団ゼロの屈辱を味わったが、存在感を見せた選手も少なくなかった。そんな一人が18試合で6本塁打を放った阪神の佐藤輝明である。

 佐藤は今季、両リーグ断トツの85三振を喫していて、交流戦でも打率をやや下げたが、そえでも打率.279でリーグ8位につけている。

 また、三振の多さと引き換えに本塁打は両リーグトップの19本をマーク。リーグ2位の牧秀悟(DeNA)に6本差をつけており、49打点も同僚の森下翔太と並び両リーグ最多で、目下セ・リーグ2冠王である。

 本塁打はシーズン38本ペースを維持し、今後ほんの少しペースを上げることができれば、40本にも届く勢いだ。さらに首位打者争いが.300前後に落ちてくるようなら、三冠王の目も十分考えられるだろう。

 一方で、今季の佐藤は、盗塁数も自己最多(2022年、11個)を更新するペースで伸ばしている。4月末までは一つもなかったが、5月以降は44試合で8盗塁を記録。シーズンを通じてみれば16個ペースだが、5月以降のペースで計算すれば20盗塁も視野に入ってくる。

 先日の確信歩きやけん制死など走塁面には課題を残しているものの、盗塁自体は決して下手ではない。本塁打を積み重ねて、歩かされるシーンが増えれば、盗塁の機会もおのずと増えていくだろう。

 もし佐藤がシーズン「40本塁打&20盗塁」を達成すれば、阪神の選手として史上初の快挙で、「30本塁打&20盗塁」も過去に1人だけだ。それが1950年に39本塁打&21盗塁をマークした初代ミスタータイガースの藤村富美男氏である。

 その後は1980年に真弓明信氏が29本塁打&20盗塁を記録するニアミスもあったが、広い甲子園球場をホームにしているハンデもあって、30本塁打を達した打者もそう多くない。

 佐藤が球団史上初の「40-20」に加えて、三冠王、そしてチームを2年ぶりの日本一に導くようなことになれば、“ミスタータイガース”の襲名も現実味を帯びてくるだろう。逆にその3つをすべて達成しないことには結論は先送りが濃厚だ。

 これまでミスタータイガースと呼ばれた選手は藤村氏のほかに、村山実氏、田淵幸一氏、掛布雅之氏がいた。1988年に掛布氏が現役を退いて以降は、“候補”選手は何人もいたが“襲名”には至っていない。

 果たして、37年ぶりにミスタータイガースは誕生するか。もちろんハードルは高いが、今季の佐藤ならチャンスは十分あるはずだ。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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