「まあまあまあ、ちょっとずつ良くなってきているかなと思います」。
ロッテのトップバッター・藤原恭大は、交流戦が終わってここまでの打撃についてこのように振り返る。
リーグ戦再開初戦となった27日のソフトバンク戦、『1番・センター』でスタメン出場し、0-0の3回一死一、二塁の第2打席、モイネロが2ストライクから投じた4球目の127キロカーブをライト前に運ぶと、1-1の7回二死一、二塁の第4打席、モイネロが1ボール2ストライクから投じた4球目の144キロストレートをセンター前に弾き返す安打で、今季15度目の複数安打を達成した。
特に直近5試合は3試合で複数安打、打率.318だ。6月20日のDeNA戦、0-0の初回無死走者なしの第1打席、ケイが投じた初球の149キロストレートをセンターフェンス直撃の二塁打、6月22日のDeNA戦、9-6の5回無死走者なしの第4打席、石田裕太郎が2ボール2ストライクから投じた5球目の129キロのスライダーをライトスタンドに放り込んだ本塁打は良かった。
「バットの軌道が良くなってきているので、バッティングは成長していると思います」。
藤原は取材のたびに“長打”について、「長打を打つというよりは自分のフォームで打てれば長打が出ると思う」と話してきたが、ケイからのフェンス直撃の二塁打、石田からノーステップ打法で放った本塁打は、その形ができたから“長打”を打てたのだろうかーー。
「変化球がうまいこと引っかかってホームランになったので、いい打ち方ができているかなと思います」。
交流戦に入ってから1番で起用されるなど、開幕から試合に出続ける中で、「入りとか変化球を投げきているので、そう感じるところはありますね」と攻め方の違い、マークが厳しくなったと感じる場面が出てきたという。追い込まれてからのバッティングに関しては、「大きくは変わらないですけど、相手が投げてくるところを早めに潰せたらいいなと思います」とのことだ。
ここまで藤原は58試合に出場して、打率はリーグ6位の.282、出塁率はリーグ4位の.353、得点圏打率はリーグ5位の.341、3本塁打、14打点、7盗塁と、主力の働きを見せている。
「長打も増えてきているので、もっと打てるように体重を落ちないようにしっかりウエイトもして、バットも振っていって、もっともっと打てるようになっていったらいいなと思います」。藤原といえば、夏場に非常に強く、大阪桐蔭高3年には4番打者として春夏甲子園連覇の立役者となれば、プロ入り後も21年に7・8月度の月間MVP、昨季は7月の月間打率.322と打った。藤原の季節に向けて、状態が上がってきている。さらにこの勢いを加速させていきたいところだ。
取材・文=岩下雄太