DeNA・バウアー (C)Kyodo News

◆ 白球つれづれ2025・第26回

 昨年の日本一軍団、ベイスターズがちょっとした危機に直面している。

 交流戦明けの対巨人3連戦に3連敗。それも3連続完封負けの内容はお寒い。

 貧打に加えて、巨人戦では衝撃の材料も加わった。大黒柱の活躍を期待するトレバー・バウアーの乱調だ。

 28日の第2戦に先発するが、立ち上がりから自慢の制球が定まらない。

 4回に先制を許すと、6回にはオコエ瑠偉選手に満塁走者一掃の三塁打を喫して5失点KO。自身も今月12日のオリックス戦(交流戦)以来4連敗となってしまった。

「今はちょっと先が見えないような状況。こう言った経験は過去にはなかった」と試合後に首をひねったバウアーだが、チームとしてもこのまま手をこまねいていることは出来ない。翌29日には現役登録を抹消した。当面は一軍に帯同しながら課題の修正に取り組むと見られる。

 メジャー時代にはサイ・ヤング賞も獲得したバリバリのエースが来日したのは2年前。シーズン途中で入団しながら10勝4敗と圧倒的な存在感を見せつけた。再度、メジャー挑戦を狙った昨季は、夢かなわずメキシコリーグでプレー。ここで無傷の10連勝を記録すると、ベイスターズの再ラブコールを受けて日本に帰ってきた。

 バウアーと言えば、34歳のベテランにも関わらず中4日の登板がお約束。白星が積み上がっていけば、これほどタフで、頼もしい先発もいない。東克樹、アンドレ・ジャクソンと並ぶ先発三本柱として大きな期待がかけられた。

 ところが今季は好不調の波が激しく、開幕から3連敗の後に4連勝。そしてまた4連敗と目下リーグワーストの7敗目。防御率4.13も規定投球回数に達するセ13投手の最下位に沈んでいる。(数字は30日現在、以下同じ)

 2年前と比較してみると四死球の多さ(合計38個)と被本塁打9本で、いずれもリーグワースト。フォアボールを出しては一発を配球すれば失点はかさみ、黒星が増えていく。ストレートの球威も以前ほどではないから、変化球を多投する。それが微妙に制球を乱して、カウントを整えに行くところを痛打される。

 三浦大輔監督は「投球の際の癖を見抜かれているのか? 何らかの対策を講じていかなければならない」と“ミニキャンプ”を示唆する。

 いずれにせよ、6月のチーム月間成績は8勝14敗。交流戦前の5月末時点では貯金4で3位に付けていたが、現時点では33勝35敗3分けで借金生活に突入。首位の阪神とは5.5ゲーム差の4位では、ここが踏ん張りどころの正念場と言える。

 バウアーの不調がチーム成績に大きな影響をもたらしていることは間違いないが、他にも指揮官を悩ます材料がある。

 主砲のタイラー・オースティンを故障で欠いた打線の迫力不足や、レギュラー陣の高齢化に、日本人投手の伸び悩みなど課題は山積している。記録に表れない守りのミスや、数少ないチャンスを得点に結びつけるそつのなさなども改善されていない。

 昨年の戦いの軌跡を見ると、8月末時点でも57勝57敗2分けで4位。首位の広島から6.5ゲーム差も離されている。これだけを見れば、今年もまだチャンスは十分にある。

 だが、特筆すべきは昨年首位を快走した広島が9月だけで20敗の記録的な壊滅。これに助けられたベイスターズは3位に滑り込み、ポストシーズンを勝ち抜いて劇的な日本一の下剋上を果たすのだ。こんな奇跡はそう簡単には起こらない。

 かつて、閑古鳥の鳴いていた横浜スタジアムには、満員のファンが詰めかけチケット争奪戦は日常茶飯事だ。そんな熱烈ファンの後押しを受けて立て直しを図る。投手陣が苦しければ、もう一度あの“マシンガン打線”の奮起を期待する。

 梅雨明け宣言間近の横浜。ジメジメしたチーム状況にあって誰が、沈滞ムードを破るのか?番長の腕の見せ所でもある。

文=荒川和夫(あらかわ・かずお)

この記事を書いたのは

荒川和夫

1975年スポーツニッポン新聞社入社。野球担当として巨人、西武、ロッテ、横浜大洋(現DeNA)等を歴任。その後運動部長、編集局長、広告局長等を経て現在はスポーツライターとして活動中

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