得点力不足に悩んでいたベイスターズ打線がついに目覚めた。新星・井上絢登の連日の活躍も見事だったが、そこに至る前に先制パンチをお見舞いした、1番・桑原将志、2番・佐野恵太のOVER30コンビの暴れっぷりが目を引いた。
初回に3点を先制されたその裏、桑原のヒットに佐野の二塁打で一気にチャンスメイクし、宮﨑敏郎の内野ゴロに松尾汐恩、井上の連打で試合を振り出しに戻す。1点リードとなった5回にもヒットで出た桑原を走らせ、佐野のライト線二塁打で貴重な追加点を挙げた。これで終わらない2人は7回にもヒットと二塁打で1点をもぎ取る活躍。桑原は4打数3安打3得点、佐野も4打数3安打2得点2打点と打線に火をつけた。
三浦監督も1番としてこの上ない仕事を果たした桑原に対し「クワの時期になったのかなと。暑い中に一気に調子を上げてきますからね」と例年気温とともに状態がアップする“夏男”の季節の到来を喜びつつ「1番打者として打線に勢いをつけてくれましたね」と最敬礼。2番の佐野にも「クワが出たあとの恵太も、出塁率も状態もいいですけど、マークが厳しい中でしっかりと長打を打てるという持ち味を出してくれた中で、クワが一気に還ってこれるということは、チームにとって良かったなと思います」と頷いた。
初戦、2戦目と僅差のゲームを戦い抜き、勝ちパターンのリリーフ陣を投入しづらい中での大量8得点。これを機会に打撃陣が上向いてくることを、予感させる一戦だった。
取材・文・写真:萩原孝弘