ロッテ・山本大斗[撮影=岩下雄太]

 昨季ロッテの日本人野手のチーム最多本塁打が岡大海の7本だったが、今季は前半戦を終えた時点で、高卒期待の5年目山本大斗がすでに10本のアーチを描いている。

 山本は昨季イースタン・リーグの本塁打、打点の二冠王に輝き、“左足の使い方”、“タイミングの取り方”を意識した8月以降はファームで打率.377と確実性が向上。ただ、昨季一軍では5試合に出場して、打率.111、本塁打と打点はなかった。

 ファームで山本を指導していた栗原健太打撃コーチは昨秋の取材で「僕もそうでしたけど、二軍から一軍にあがって結果を出したい気持ちがある中で、二軍のように立てればいいんでしょうけど、結果を出したいという気持ちが勝ってしまって焦り二軍の時のようにいかないでしょうから、その辺は彼の場合は我慢して使えば、いいものがどんどん出てくると思うんですけど、はい」と指摘していた。

 山本は今季に向けて、2月16日から始まった対外試合で、2月22日の中日とのオープン戦で満塁本塁打、翌23日の韓国・ハンファとの練習試合にもバックスクリーンに豪快な一発を放つも、練習試合・オープン戦で打率.158(38-6)、3本塁打、9打点とアピールできず。

 「そこはフォームどうこうは気にしていなくて、気持ちの部分だったりとか、一軍の舞台だと自分のスイングができなくなったりと思っていた。正直、オープン戦は僕が結果を求めすぎたというか、ちょっと小さくなっていた部分があった」(山本大斗)。

 ファームでは「準備の段階だったり、目付けの部分、待ちかた、ファームで打てても一軍ではどうかなと考えて、ホームランを打っても納得いっていないホームランもファームではありましたし、そういったところを自分に厳しくやっていましたね。今回は思い切って、打てなかったら自分が練習するしかない。それぐらいの準備はしてきたので、という感じです」と、打率.365、5本塁打、21打点と結果を残し、4月12日に一軍昇格を果たした。

 4月16日の日本ハム戦、「みんなが作ったチャンスを無駄にしたくなかったので、初球から思い切り振りにいった結果ホームランを打つことができてよかった」と、0-0の6回一死一、二塁の第3打席、杉浦稔大が投じた初球の134キロカットボールをレフトスタンド上段にプロ初本塁打。

 その後、試合に出場したり、しなかったりということがあったが、5月10日の西武戦で4月29日のオリックス戦以来のスタメン出場を果たすと、同日の西武戦から16日の日本ハム戦にかけて6試合連続安打。13日の楽天戦では、「逆風でしたけど打った瞬間行ったと思いました」と第2号ソロを放った。

 交流戦が始まった6月4日の巨人戦から打順もほぼ“4番”に固定された。プロ入り初めて4番で出場した4日の巨人戦の第1打席、井上温大が投じた1ボールから2球目のスライダーをライトラグーン席に放り込んだ。「あれは外の変化球だったので、それを引っ張らずにしっかり外の球をライトにいつも通り打てたというのは、練習通りだったので、それは良かったなと思います」と振り返った。

 6月15日のヤクルト戦では、0-2の4回無死一塁の第2打席、「3ボールだったので甘いところにきたらいってやろうと思っていました。そのポイントに来て、自分のスイングで打つことができたので良かった」と、高橋奎二が3ボール0ストライクから投じた4球目の150キロストレートをレフトへ上段に第5号2ランを放つと、2-2の6回無死一塁の第3打席、「前の打席と同じでカウント有利だったので思い切りいきました」と高橋が2ボールから投じた3球目のチェンジアップをレフトスタンドに一時勝ち越しとなる一発。これが山本にとって一軍の公式戦では初となる1試合2本塁打となった。

 6月20日のDeNA戦では本塁打を含む1試合4安打、22日のDeNA戦でも第8号3ランを放つなど、交流戦では12球団2位タイの5本塁打と、その長打力を発揮した。

 リーグ戦再開後、6月27日のソフトバンク戦から7月1日の楽天戦にかけて4試合連続ノーヒットということもあったが、この時期について山本は「あの時は体の状態もあまり良くなくて、そこもちょっとあって、あまり自分のいつも通りのプレー、スイングができていなかった。割り切ってやっていました」と明かす。

 7月2日の楽天戦でリーグ戦再開後初安打を放つと、7月5日のオリックス戦で今季2度目の1試合2本塁打で、シーズン二桁本塁打を達成。

 交流戦の時は「もっと打てるなと自分の中で、(本塁打を)打てる球はあったなと思いますね」と話していたが、「狙っている球というか、目付け通りいけた時は自分の中で長打というか、ホームランを狙えている球はありますね」と自信を見せた。

 7月6日のオリックス戦では、0-0の初回二死一塁の第1打席、九里が2ボール2ストライクから投じた5球目のインコースストレートを左安、続く1-0の3回二死走者なしで九里亜蓮が投じた初球のインコースシュートを左安と“インコース”の対応も良かった。

 山本は「シュートとスライダー、コースで張っていたので、インコースはインコースで張っていたので、普通に狙い通り打てたかなと思います。打ち方は別に特に何も。コースを狙っていただけです」と説明した。

 7月16日にプラスワン投票でオールスター初出場が決定。前半戦で2桁本塁打を達成し、石垣島春季キャンプ中に目標に掲げていた20本塁打まで残り10本。「数字はあまり意識せずにやりたいなと思いますけど、最低でも20本は打ちたい気持ちはあります」。

 ファームの時から指導してきた山本について栗原コーチは「大斗は慣れですね。慣れてきたので、上がってきた時もそうですけど、二軍で結果を出して上がってきてヒットを打ちたいというのがどうしても出るじゃないですか、焦りと言いますか、二軍のようなバッティングができないというのは、最初はあったと思うんですよ。打席に立っていく中で、毎日試合に出る中で、その部分がなくなるわけじゃないですか、打たなくても外されるとか、それが一番じゃないですか、彼の場合は」と自慢の長打力を発揮できている要因を分析。

 山本も「完全に1打席目から自分のできることだけ考えて入っているので、慣れてきたというのはあります」と4番という打順、一軍の雰囲気に慣れてきたと話す。

 「長打でランナー一塁からでも得点できるようなバッターになりたいし、2アウトランナー一塁でも得点させられるようなバッターを目指して、この夏はやりたいと思います」。“暑い夏”にして見せる。

取材・文=岩下雄太

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岩下雄太

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