ミスから流れを手放したDeNA。野球の怖さを知らしめされるようなゲーム展開となり、2位を争う巨人に苦汁をなめさせられた。
結果論だが、初回の送球ミスが大きく響いた。1死1塁の場面で泉口友汰のファーストゴロをタイラー・オースティンはセカンドへ転送。ショートの京田陽太の併殺を狙ったファーストへの送球が逸れ、ボールはカメラマン席に入りテイクワンベース。そこからは完全に詰まらせた打球も、バットを折った打球もポテンヒットとなるなどの不運が続き、アンドレ・ジャクソンはいきなり3点を失った。
反撃に転じたDeNAは2回、無死一・二塁のチャンスで林琢真はフェンス直撃の打球を放つが、セカンドランナーのオースティンは3塁でストップ。結局この回は内野ゴロで1点を返すに留まり、ペースを取り返すまでには至らなかった。
すると4回には先頭へのデッドボールに始まり、宮﨑敏郎のファンブルも続きジャクソンも落胆。思わぬ形で広がってしまったピンチから、犠飛とスリーベースと畳み込まれこの回3失点。5回で降板したジャクソンは「今日はアンラッキーなヒットもありましたが、自分の仕事はアウトを積み重ねることなので、そこの悪い流れを止めるピッチングができなかったのが悔しいです」と責任感あふれるコメントを残したが、6失点ながら自責点は2から読み取れるように、味方の拙守が堪えた。
その後は完全に巨人ペースとなり、2−12の大敗を喫した。
三浦監督は「細かいミスが多く出てしまった試合だと思います」と総括。そのせいもあり「ジャクソンも出だしで乗り切れず、そのまま掴みきれずにいってしまった感じですね。間に落ちたりとか、リズムに乗り切れなかったですね」と分析。「相手投手のことを考えると、ミスがあると点差も開き、こういう結果になるのかなと思います」と前回は打ち崩したが、難敵の山﨑伊織の前に隙をみせたことが命取りになったと振り返った。
またエラーもありながら「ジャクソンもカバーしようと投げていましたけど」と助っ人の投手心理を読み取りつつ「防げるミスはしっかりとやっていかないといけないですね。ミスが続いていくと流れも悪くなり、こういった展開になってくるので。でもそこをみんなでカバーしていくところなんですけど、今日はできなかったです」と悔やんだ。
野球は流れのスポーツ。肝に銘じて、あすは締まったゲームにしてほしい。
取材・文・写真:萩原孝弘