◆ 1日1安打・1四球を目標に
『11』
この数字は今季、ロッテ・安田尚憲が1安打以上・1四球以上を達成した試合である。
安田は「サブさんからは1日1本のヒットと四球を取ってくれればそれでいいからと言われているので、それを目標にしています」と7月13日の取材で明かしている。
『5番・サード』でスタメン出場した16日のソフトバンク戦、6-0の4回二死三塁の第3打席、「チャンスで1本出すことができて良かったです」と有原航平が投じた初球のカットボールをライト線に弾き返す適時二塁打を放つと、7-1の7回一死走者なしの第4打席、ヘルナンデスが2ボール2ストライクから投じた5球目のストレートをセンター前に運んだ。
そして7-2の9回一死走者なしの第5打席、大江竜聖が3ボール2ストライクから投じた6球目のストレートを冷静に見極め、四球を選んだ。この日は4打数2安打1打点1四球で“目標”を達成した。
安田は8月9日の取材で、「最近四球を選べていないので」と話していたように8月2日の西武戦以来の四球を選び、「その辺はボールの選択は間違えていないと思うので、ピッチャーのプレッシャーをかけられるように、もっともっと強いスイングができていけたらなと思います」と話していた中での目標達成だった。
◆ 長打
オールスター明けの安田は、17本の安打を放っているが、そのうち長打は2本。7月30日の楽天戦、0-3の初回二死走者なしの第1打席、岸孝之が1ボール2ストライクから投じた外角の124キロチェンジアップを逆らわずに左中間を破る二塁打が良かった。
長打に関して「長打は最近少ないので、もう少し増やしていけたらなと思います」とポツリ。7月13日の取材で「ホームランも長打も早く打ちたい」と話していたが、「ツーベースもどんどん増やしていけたらいいなと思いますし、その延長でホームランを打てたらなと思います」とその想いは変わらず。
捉えた当たりがゴロにならないように打ちたいと話していたが、そこについても「最近ゴロは少なくなってきているんですけど、もう少し角度をつけられたらなと思います」とのことだった。
長打もそうだが、マリーンズファンが安田に求めているのは“得点圏”での打撃。8月2日の西武戦、「チャンスでしたしフォアボールの後だったので初球から狙って積極的にいきました」と3-4の9回一死満塁で、平良海馬が投じた初球のセンター前に弾き返す値千金の同点打を放てば、翌3日には1-1の9回二死一、二塁の第5打席、佐々木健が投じた初球の147キロツーシームをセンター前に決勝の適時打。
8月は得点圏打率.353と勝負強さを発揮する。チャンスでのバッティングについて「あんまり変えないように。普段のいつも通りのことを意識しながらやっています」と平常心を貫く。
安田も今季プロ8年目の26歳。若い選手が増えてきたチームの中で、「守備とかでは内野手では一番歳がいっている時も多いので、そういうところは声の掛け方だったり意識してやっています」と、覚悟を示した。ピッチャーへの声がけも「これまでは先輩方がやってきたことを自分もやっていかないといけないかなと思っています」と頼もしい言葉。
「バッティングの方でしっかり貢献できるようにやっていきたいと思います」。残り40試合、打ってチームを勝利に導くつもりだ。
取材・文=岩下雄太
※お詫びと訂正
初出時に安田選手の16日の打順を『6番・サード』としていましたが正しくは『5番・サード』での出場でした。