ロッテの吉川悠斗が18時からの楽天戦、本拠地・ZOZOマリンスタジアムのマウンドで一軍初先発する。
吉川は22年育成ドラフト1位でロッテに入団し、3年目の今季、支配下登録期限最終日となった7月31日に支配下選手登録を勝ち取った。同日にプロ初昇格を果たすと、8月1日の西武戦で、二軍戦から中5日でリリーフ登板。0-8の4回から登板し、4回・67球を投げ、1被安打、3奪三振、5与四死球、3失点だった。8月5日の取材で吉川はプロ初登板について「よくなかったなと思いますし、近いうちにリベンジ登板できるかなと思います」と振り返った。
具体的によくなかった部分については「緊張するのはしょうがないと思うんですけど、緊張しちゃって、そのせいとは言わないですが、コントロールがついていないところがありました。2つ当てちゃったのもありますし、もうちょっとコントロールをしなきゃいけないかなと思いました」と反省した。
よくなかったところだけではなかった、4イニングを投げて被安打はわずかに1。「村田選手は二軍でもちょいちょい対戦しているバッター。傾向とかは、なんとなくわかっている感じのバッターでした。何もわからないと言うよりかは、やりやすかったかなと思います」と、2-11の6回無死一塁で村田怜音を1ボール2ストライクから4球目の118キロスライダー見逃し三振に仕留め、プロ初奪三振を記録。
チェンジアップも、「しっかり腕を振れるようになって、低めに落とせてと言う感じだったので、最後の方は良かったかなと思います」と、2-11の6回二死一、二塁で柘植世那に2ボール1ストライクから空振りを奪った4球目の117キロチェンジアップ、2-11の7回先頭の児玉亮涼を2ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた5球目の120キロチェンジアップ空振り三振が良い抜けだった。
一軍の登板を経て、一軍と二軍の違いはどこに感じたのだろうかーー。
「雰囲気は全然違いますし、肌感というか、失投でいかれるのは二軍より高いなと。より神経質になってやらなきゃなと思いましたし、神経質にやる中でこの前みたいにボールボールになると苦しくなっちゃうので、その中でどれだけ大胆に行けるかと思いますね」。
◆ 支配下登録・プロ初登板を達成。次の目標は?
「登板数を多くして、1日でも早く支配下に上がることができればなと思っています」(24年2月7日取材)
「一軍で投げるのが目標ではありますし、それが最終的な目標になるとアレなんですけど、今はとりあえず、支配下に上がって二軍で回って一軍でも投げるという感じでだんだん上に上がっていけたらなと思います」(24年4月30日取材)
「やっぱりフェニックスで終わった後、フェニックスでいい結果を残して、シーズンもなんですけど、今年中には上がりたい」(24年6月17日取材)
「まずは支配下登録を目標にした上で、さらに来年も契約してもらえるであったり、一軍で投げられるであったり、来年に繋げられるようなシーズンにできれば」(25年4月20日)
これまで何度も取材で“支配下選手登録”を目標に掲げてきた。
その目標を達成した今、次に目指す目標について訊くと、「一軍登板かなと思ったんですけど、思いのほか早く一軍登板が叶ったので、しっかり抑えてかつ初勝利を挙げられたらなと思います」と、プロ初勝利を掲げた。
「二軍でやっていたことをできるだけ三振取る、長いイニングを投げることだったので、一軍でもそれを変わらずやっていけたらなと思います」。プロ初勝利を目指して、まっさらなマウンドに上がる。
取材・文=岩下雄太