ロッテの友杉篤輝は22日の西武戦は途中出場だったが、スタメン出場した試合は4試合連続出塁中、2試合連続安打中だ。
オールスター明けの友杉の打撃を見ると、ショートの頭を越える安打が増えている。「今年に関しては追い込まれてからも、ああいう難しい球を引っ張る意識で打っているので良かったと思います」。8月6日のソフトバンク戦、0-0の2回一死一塁の第1打席、大津亮介が2ストライクから投じた4球目のフォークをショートの頭をこえるライナー性のレフト前安打、8月7日のソフトバンク戦、1-0の5回無死走者なしの第2打席、松本晴が投じた初球の142キロストレートをショートの頭を越えるレフト前安打を放った。
月間打率.311をマークした5月は「ちょっとポイントを前にしてヘッドが返るところでというか、引っ掛けるくらいの感じで行ったらヒットが出始めました」と話していたが、現在も「いい時も悪い時もありますけど、ある程度、(ポイントを)前で打てているかなと思います」と自己分析する。
8月はここまで月間打率.278。ポイントを前にして打つだけでなく、打席の中で狙い球を絞って打ったりしているのだろうかーー。「狙い球を絞って、ある程度この辺イメージしながら打つようにしています」。
打撃練習では、「終わってから自分で練習するときであったり、広角に打てるのが理想。練習では逆方向を打ちながら、試合では割り切って引っ張りに行くようにやっています」とのことだ。
9番の打順で出場することが多いが、8月13日の日本ハム戦では、0-1の3回無死走者なしの第1打席、山﨑福也が1ストライクから投じた2球目のストレートを左中間に放つと髙部瑛斗のスクイズで生還、1-1の5回無死走者なしの第2打席は、山﨑福が1ボール2ストライクから投じた4球目の127キロフォークを三塁へ内野安打で出塁し、西川史礁の犠飛で一時勝ち越しのホームを踏むなど、イニングの先頭打者として出塁し得点に繋げた。
また、走者がいる時には送りバントでしっかりと走者を進めて1番打者の藤原恭大に繋げるなど、犠打数はリーグトップの18をマークする。
◆ 守備
守備では開幕から出場した36試合で無失策だったが、6月10日の広島戦で今季初失策を記録すると、6月は2失策、7月は5失策、8月は1失策と失策数が増えた。7月4日のほっと神戸で行われたオリックス戦では2失策、失策数が増えた原因のひとつとして、普段は守らない球場でのプレーなども関係していたのだろうかーー。
「毎年なんですけど1つ出ると、続いてしまうところがあるので、いい意味で割り切ってやっていきたいと思います」。
広い守備範囲で投手陣を救っているのも事実。8月7日のソフトバンク戦、1-2の7回先頭のダウンズが放った三遊間の打球を逆シングルでキャッチし、一塁へ踏ん張って送球しアウトのプレーは見事だった。「7月はすごいミスをして、もったいない部分があった。少しずつ去年よりはできているんじゃないかなと思います」。
スピード感あふれるプレーで、グラウンドを躍動することが求められる。「なかなか規定打席は厳しいですけど、なんとかいい打率で終われるように頑張りと思います」。現在の打率は.233。ショートのポジションをモノにするために、バッティングで存在感を示していくつもりだ。
取材・文=岩下雄太