ロッテの藤原恭大が30日のソフトバンク戦で、自身初のシーズン規定打席(443)に到達した。
藤原はプロ3年目の21年に7・8月度の月間MVPに輝く活躍を見せたが、好不調の波が大きかったことに加え、故障などもあり昨季まで1度も規定打席到達はなし。プロ6年目の昨季は、故障で開幕に出遅れ、規定打席に届かなかったものの、74試合に出場して、打率.290、2本塁打、21打点、課題にしていた好不調の波も少なく、「ずっと課題にしていたことなので、シーズン通しては戦えていないですけど、この2、3ヶ月上がってきて、3ヶ月通して好不調の波がなかったのは初めてなので成長した部分なのかなと思います」と手応えを掴み昨季を終えた。
今季に向けて“打率3割”、“二桁本塁打”、“規定打席到達”を目標に掲げた。特に「規定打席、1年間しっかりチームの戦力になりたいというのが一番です」と強いこだわりを見せていた。
規定打席到達するためには、髙部瑛斗、岡大海、角中勝也、荻野貴司、和田康士朗、西川史礁といった熾烈な競争を勝ち抜く必要があった。「厳しい戦いになると思いますけど、そこはしっかり目標にして出られるように頑張りたいと思います」と意気込み開幕を迎えた。
藤原は開幕から打ちまくり、4安打した4月11日のソフトバンク戦後の打率は驚異の.526、4月を打率.327で終えると、5月は月間打率263.、シーズンの打率.296で交流戦を迎えた。交流戦から1番の打順に定着し、6月の月間打率.262、7月も月間打率.261と大きな好不調なく戦い、8月もここまで月間打率.278。30日のソフトバンク戦の第3打席で、シーズン443打席に達し、自身初の規定打席到達となった。
◆ 栗原コーチが見た藤原恭大
栗原健太打撃コーチは今季の藤原の打撃について「基本彼の打席は、2ストライク追い込まれる打席が多いと思うんですけど、その中でノーステップで2ストライク追い込まれてからの対応、見極めができているんじゃないですかね」と分析する。
去年ファームで打撃コーチを務めていた栗原コーチは、藤原が右膝蓋骨骨折からの実戦復帰後、右足を上げたフォームで打ったり、ノーステップ打法と試行錯誤している中で、現在の形に辿り着いたところの過程を見守ってきた。
栗原コーチは藤原の打撃が去年に比べて今年はどう変わったように見ているのだろうかーー。
「追い込まれるまでは足を上げて打つスタイルで、強い打球をイメージしていると思うんですけど、ノーステップの形が去年に比べて違和感なく、今年はしっくりきているんじゃないですかね。去年やり始めて、ある程度意識しながらという部分だったと思うんですけど、今年に関してはそれが形になってきている。逆方向にファウルが打てるのでいい方向にいっているんじゃないですかね」。
栗原コーチは石垣島春季キャンプ中、藤原について「少し悪くなると上体が前に行っちゃうので、そこだけ意識してやったらいいんじゃないのという話はしましたね」と話していた中で、シーズンが始まってからは「悪くなるとちょっと前に突っ込んじゃうので、打ちにいきながら軸足を残せるように、たまにアドバイスをしていますね」とのこと。
栗原コーチが藤原の打撃を日々見守る中で、チェックポイントがあるそうで、「ノーステップになった時にどうしても上体で追いかけ出した時は要注意。せっかくノーステップしているのに足を使わずに上(上半身)だけで打って、粘りがなくなる打席がある。そこはその時にアドバイスしています」と教えてくれた。
藤原は今季だけでなく、今シーズンをきっかけに毎年規定打席到達、そして打率3割という打撃が求められてくる。栗原コーチは「今年は左ピッチャーに対して良い対応をしてくれていますから、春先は右、左でスタメンが外れたりありましたけど、ずっと出始めてから左投手と対戦して良い対応をしてくれている。あとは長打が打てる選手だと思うので、カウント球、もう少し長打が出てくればもっともっといいバッターになるんじゃないですか」と期待を寄せた。
藤原は今季の目標のひとつである規定打席に到達した。あとは、残り29試合でどこまで打率3割、2桁本塁打に近づけることができるかーー。長年マリーンズファンは藤原のレギュラーとしての活躍を夢見てきた。今年を基準にさらに大きな選手になることを期待している。
取材・文=岩下雄太