ロッテの上田希由翔が5日の西武戦で、プロ初本塁打を放った8月2日の西武戦以来となる本塁打を放った。
『3番・ファースト』でスタメン出場した上田は、0-0の3回一死二、三塁の第2打席、「最低でも犠牲フライをと思い打席に入りました。うまく捉えることができて良かったです」と、先発・高橋光成が投じた初球のストレートを捉えた打球はグングンと伸びていきバックスクリーンに飛び込んだ。
上田は7月15日に再昇格後、打率.268(82打数22安打)、2本塁打、13打点。オールスター明けは「バッティングで貢献したい」と話していた中で、8月は月間打率.294をマークし、オールスター明けの打点数はチーム3位タイの9打点と、しっかりと貢献している。
バッティングで貢献できている感じがあるか訊くと、上田本人は「そこは自分じゃあまりわからないので、周りがどう思っているのかだと思いますね。自分は毎回やるべきことをしっかりやれたらいいなと思ってやっています」と話した。
チャンスに強く、シーズンの得点圏打率は.364(33打数12安打)、1本塁打、12打点。「(チャンスの場面で)代打を送っていただけたら、しっかりランナーを還すのに務めたいと思っていますし、スタートから出ている時でも、なかなかチーム自体的にもそうチャンスは多くないと思うので、集中して打席に入れているかなと思います」。
チャンスだけでなく、代打でも打率.364(11打数4安打)、4四球、出塁率は驚異の.533だ。
代打で心掛けていることについて「前々から言われる時もあれば、急遽言われる時もあるので、本当に5回、6回終わったタイミングからいつ出るかわからないですけど、そこに向けての準備はするようにしています」と教えてくれた。
また、ファームで過ごしていた期間に「手で操作するのをサブローさんから指摘してもらって、治す1つの方法としてバットを寝かせたりやっていました」と昇格直後の取材で話していたが、昇格後は手で操作することなく打てているのだろうかーー。
「今は自分で考えてやれていますし、結構悩んだ時も色んな人にアドバイスをもらうようにしているので、良い方向にはまっているのかなと思います」。
チームは優勝が完全に消滅し、最下位に沈み苦しい戦いが続いているが、若手選手たちは自身のアピールのため、1試合も無駄な試合はない。「ずっと一軍にいれたらいいですけど、それもわからないので、1試合、1試合自分は全力でいけたらいいなと思います」。残りの試合でもバットで存在感を示していく。
取材・文=岩下雄太