ロッテの髙部瑛斗は、8月31日のソフトバンク戦から1番の打順で出場し、その間の打率は.341(41打数14安打)、5打点、1盗塁と役割を果たす。
11日のソフトバンク戦では2-0の2回一死三塁の第2打席、「チャンスで追加点を取ることができてよかったです」と大関友久が投じた初球のスライダーを振り抜き、右中間を破る適時三塁打を放つと、続く6-0の3回二死二、三塁の第3打席は、「タネ(種市)も頑張っているので1点でも多くの追加点を取ることができて良かったです」と、上茶谷大河の初球のカットボールをセンター前に2点適時打。2安打3打点の活躍で勝利に大きく貢献した。
1番を任される中で、「1打席目ですよね」と、1打席目を大事にしている。「1打席目に打つとチームの雰囲気も全然違いますし、塁に出ることが全ての仕事だと思うので、1番打席が回ってくるぶん、試合を大きく左右するポジションだと思う。塁に出たり、チームを勝ちたせられる雰囲気作りを意識しています」。11日のソフトバンク戦は第1打席、一ゴロに倒れたが、8月31日のソフトバンク戦以降の第1打席の打率は.400(10打数4安打)と打ち、そのうち3試合で得点に繋げている。
現在5試合連続安打中で、1ヶ月前の8月11日終了時点の打率が.240だったが、打率も.277まで上げてきた。現在の打撃の状態については「まだまだ全然良くないですけど、悪い時に比べたらという感じですね」と一定の手応えを掴む。
◆ 引っ張りの打撃の中で反対方向も
8月19日に取材した際、「強く振ると考えて引っ張る方向が出てきている」と話していたが、ここ最近は引っ張ったあたりが増えている中で、反対方向にも強い打球もある。強く振ることを意識した中で、反対方向に打てているのだろうかーー。
「攻め方とかも変わってきていますし、その中でうまく対応という感じでやれていますね」。
同じく8月19日の取材で「場面に応じて(球数を投げさせることを)実践したりしています」と話していたが、9月4日の日本ハム戦、2-9の9回の第5打席、柳川大晟に対してボールを見極め、ファウルで粘り、3ボール2ストライクからの8球目、高めのストレートを見送り四球を選んだ打席などは、球数を投げさせているようにも見えた。
髙部本人に確認すると、「いいピッチャーなので、簡単には打てないなというところで、制球も定まっていなかったので、そういう形になったのかなと思います」と明かした。
「ベストを出し続けることもそうですけど、チームがこうやって負け続けるのは面白くないので、少しでも勝てるようにというのと、これからに繋げられるような打撃、守備、走塁をやっていきたいと思います」。12日からは6試合連続でビジターでの戦いとなる。大事にしている第1打席に出塁し、得点に繋がる流れを作りたい。
取材・文=岩下雄太