ロッテ・高野脩汰はプロ3年目の今季、ブルペンに欠かせない存在となった。
ここまで31試合に登板して、5勝2敗12ホールド、防御率1.68。ビハインドゲームでのロングリリーフを中心に投げていたが、徐々に序列を上げていき、勝ち試合の8回を任される登板が増えた。
勝ち試合の8回を投げるにあたって、「プレッシャーは感じます。(プレッシャーは)全然違います」と吐露。「2試合敗戦にした時があって、自分の登板試合で勝ち負けを左右する場所。同点も勝っている時もそうなんですけど、その重みをその2試合でより感じたというか、良くも悪くも、ヒーローにもなれるし、敗戦投手、悪者にもなる場所で、ちょっとそこに対してのプレッシャーはビハインドで投げる時よりも感じています」と、重要な場面で投げる喜び、そして怖さを知った。
「投げる前に色々感じるのは大きく負けている時よりも感じるんですけど、マウンドに上がったら変わりなくいく意識でいます。吉井監督に言われたんですけど、マウンドのサークルより外のことは考えないというか、自分の手に届くマウンドのサークル内のことに集中すると教わってから、点差、展開だったり、ファンの感じだったり、外のことに意識してしまったら邪念というか、より自分のパフォーマンスに悪く影響するところもあるので、そこは考えないように。マウンドに上がったら、どんな展開であろうとゼロで帰ってくることは変わらずやる意識でやっています」。
8月11日のオリックス戦、8月13日の日本ハム戦と2試合連続敗戦投手になったが、8月17日のソフトバンク戦から現在10試合連続無失点中。15日の楽天戦も、4-4の7回からマウンドに上がり、2イニングを無失点に抑えた。
一軍のマウンドで投げ続ける中で、打者との駆け引きのレベルが上がったり、感じることはあるのだろうかーー。
「最初のうちは自分のデータはないので、セオリー通りの配球というか、突っ込んで落とすのが通用していた部分があったんですけど、どっちかを多投すると、対策されてしまうのもある。時には自分の思っている配球じゃない裏をかくのも大事だなと感じますね」。
石垣島春季キャンプの取材で、「ドライブラインに限らずいろいろと行かしてもらって、フォームについて、また1から組み立て直したというか、自分の長所をより活かせるな投げ方を追求したオフになりました」と話していたが、現時点でオフから取り組んできたことは間違っていなかったと感じているのだろうかーー。
「そうですね、フォームを見直したことが大きく影響していると思いますし、その来年のための今オフシーズンも同じように取り組みたいなとは思っています」。
気になるのは先発挑戦予定だった今季に向けて、昨年の秋からツーシームも力を入れて取り組んできたが、そのツーシームはシーズンに入ってからほとんど投げていない。リリーフで投げていることも関係しているのだろうかーー。
「ツーシームを投げるとちょっとフォームがバラけるところがあって、違う意識でやればいいと思うんですけど、今現時点でやると大きく動いてしまう可能性がある。このオフにまた追求しようかなと思っています」。ツーシームを投げることによる弊害を怖れ、現在は封印している。
残り試合も20試合を切った。「スケジュール的には過密日程になっているので、連投もそうですし、複数イニングもそうですし、自分に任せていただいたところは全力を尽くして気づいたら終わっている感じが自分の中では良いと思っています」。チームの勝利のため、どの場面でも最後まで腕を振る覚悟だ。
取材・文=岩下雄太