DeNA・三浦監督 (C)Kyodo News

◆ 白球つれづれ2025・第38回

 史上最速の9月7日に阪神が優勝。あまりの強さに一時は2位以下が借金生活に沈み“クライマックス不要論”まで取りざたされたが、どうやら心配は不要となったようだ。

 DeNAが猛烈な勢いで調子を上げている。

 9月に入ると6連勝などを含めて14勝4敗で23日現在(記録は以下同じ)巨人を抜いて2位。両チームは残り試合が共に6。仮にDeNAが3勝3敗で終わっても、巨人が上に行くには6連勝が絶対条件になる。

 王者・阪神とクライマックスシリーズで激突するのはどちらになるのか? 巨人ファンには嫌なデータがある。

 両チームの今季対戦成績は巨人が14勝8敗1分けと大きくリードしているがホームゲームは42勝26敗1分けに対して、ロードでは25勝41敗2分けと完全な“内弁慶”タイプ。仮にシーズンを3位で終わると、横浜での対決となる。その横浜でも6勝4敗1分けと勝ち越している巨人だが、ペナントレース最終盤の勢いまで加味すると、ベイスターズの優位と言わざるを得ない。

 さて、今季のDeNAほど評価の難しいチームはない。

 開幕前には1年ぶりに復帰して、エース格の働きを期待したトレバー・バウアーは精彩を欠き、主砲のタイラー・オースティンも早々に故障離脱。前年のクローザー、森原康平は調子が上がらずメドが経たない。さらに8月にはチームの大黒柱である牧秀悟選手が左親指の靱帯損傷で長期離脱、そこへ宮﨑敏郎選手まで右膝を痛めてリタイアを余儀なくされる。主力の相次ぐ離脱は空中分解の危機すらはらんでいた。

 だが今年は、代わるべき“孝行息子”が次々に現れる。

 去年、一番打者として大活躍した梶原昂希選手が伸び悩むと、蝦名達夫選手が急成長して、目下27戦連続出塁でチームを引っ張る。

 牧の不在で空いた穴は筒香嘉智選手が大爆発。17本塁打中11本が9月に入ってからの量産だから破壊力も抜群だ。ここに夏以降、戦列に戻ったオースティンの勝負強い打撃がチームを支える。

 懸案だったクローザーには入江大生と伊勢大夢の明大コンビが加わり、バウアーの穴は東克樹、アンドレ・ジャクソン、アンソニー・ケイの「新三本柱」の確立で解消。さらに夏以降はドラフト1位の竹田祐投手らが台頭して連勝の出来る陣容になっていった。

 今季スタート前のスタッフミーティングでは「大味野球」からの脱却が確認された。

 昨年のチーム打率(.256)はリーグトップ。打つときは強いが、守れない。ミスも多い。こうしたチームの体質改善へのチャレンジが数字上でも表れている。

 今季のチーム打率(.242)はリーグ5位まで下がっているが、逆に同防御率(2.87)は阪神に次ぐ2位。失策も昨年より30個近く減っている。

 様々な試行錯誤の上に、手応えを感じ始めたのが、秋の急浮上につながっている。

 先日行われたオーナー会議の終了後、マスコミは各監督の来季去就を巡って各オーナーに質問を浴びせている。

 巨人の山口寿一オーナーのように阿部慎之助監督の留任を明らかにした者もいれば、DeNAの南場智子オーナーは「まだシーズンを戦っている最中ですから」と三浦大輔監督の続投は明言しなかった。夏過ぎからは三浦監督に代わる新監督候補の名前まで取りざたされている。しかし、CS進出チームの指揮官はその戦い次第で評価も変わる。

 昨年はシーズン3位から“下刻上”で日本一まで駆け上がった三浦DeNA。

 今季のペナントレースを見る限り、阪神の圧倒的な強さが際立っている。だが短期決戦は何が起こっても不思議ではない。クライマックスまで長い期間を調整に充てる阪神に対して、挑戦者は勝ち上がってきた勢いがある。昨年、美酒を味わったベイスターズなら、なおさらその強みは知っている。

 この勢いをどこまで継続できるか? 果たして「二匹目のドジョウ」はいるのか? 番長、大勝負の秋である。

文=荒川和夫(あらかわ・かずお)

この記事を書いたのは

荒川和夫

1975年スポーツニッポン新聞社入社。野球担当として巨人、西武、ロッテ、横浜大洋(現DeNA)等を歴任。その後運動部長、編集局長、広告局長等を経て現在はスポーツライターとして活動中

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