「プレーオフと日本シリーズまでやるためなので、今シーズンを振り返るとよくないです。結果的に残念です」。
ロッテのネフタリ・ソトは10月4日の試合前練習後の取材で、移籍2年目の今季をこのように総括した。
ソトは移籍1年目の昨季、リーグ2位の88打点、自身3年ぶりの20本塁打(21本)を放ち、得点圏打率も.321と勝負強い打撃で、チームの2年連続Aクラス入りに大きく貢献した。
新シーズンに向けて「みんなと馴染んですごくいい感じでみんなとやっていると思いますし、楽しく野球ができていると思います。開幕に向けては自分の100%を最初から出せるように頑張りたいと思います」と意気込み、「チームが勝つための仕事をしたいし、みんな自分の仕事ができるとチームの勝利に繋がるので、自分もやるべきことをやって勝利に繋がれればいいと思います」と話し、開幕を迎えた。
開幕2戦目の3月29日のソフトバンク戦、「追い込まれていたのでゾーンで勝負してくるんじゃないかと思っていた。そのゾーンに来た球を打ち返すことができてホームランにすることができたよ」と今季第1号を放つと、翌30日には「めちゃくちゃいい打球でした。ゾーンに来る球を狙って、外れたらフォアボールだという意識でいい球を弾けることができたよ」と2試合連続第2号ソロ。
本拠地・ZOZOマリンスタジアム開幕ゲームとなった4月2日のオリックス戦でも2安打1打点、翌3日のオリックス戦でも2安打と3試合連続マルチ安打を達成するなど、最高のスタートを切った。4月は連続試合無安打が1度だけだったが、4月の月間打率は.203。5月は月間打率.148、3本塁打、7打点と苦しみ、交流戦が始まった6月に入るとベンチスタートの試合が増えた。ベンチスタートの時は「特別なことはないんですけど、試合の流れを見て自分がもし出たら、どうしたらいいかという準備だけしています」と、いつ呼ばれてもいいように試合の戦況を見つめていた。6月は今季の月別では最も少ない34打席、打率.212、1本塁打、4打点に終わった。
昨季7月の月間打率.308、6本塁打、23打点の成績を残した得意の7月で今季も打った。7月1日の楽天戦で安打を放つと、2日の試合では「犠牲フライでもいいくらいの気持ちで打席に入りました。間を抜けてタイムリーになり良かったです」と2点適時打。4日のオリックス戦で2安打2打点と勝負強さが戻り、5日のオリックス戦で今季初の猛打賞。6日のオリックス戦では「追い込まれていたので甘く入ってきた球にはしっかりコンタクトしようと思っていた結果、良いスイングができたよ」と6月12日の広島戦以来となる一発を放った。
6月22日のDeNA戦から7月11日の西武戦にかけて10試合連続安打。好調の要因について「体と状態がとても良いからですね」と説明し、チャンスでの勝負強さについても「コンディションがいいので、チャンスの場面で自分の仕事を見せないといけない。そのままです」と自己分析した。
さらに7月17日のソフトバンク戦から8月6日のソフトバンク戦にかけて11試合連続出塁。ソトは今季も得意の7月に月間打率.382、2本塁打、13打点と打った。7月が得意の理由について「プエルトリコではこれくらいの暑さは普通にある。1年中これくらい暑い、暑さはなんともないですね」と涼しい表情。
8月14日の日本ハム戦で来日8年連続となる二桁本塁打を達成。長打に関しては、「調子が良ければ長打が出るので、そこまで意識はしていません」とのことだった。9月2日の日本ハム戦で第11号2ラン、11日のソフトバンク戦で第12号ソロ、13日の楽天戦では0-2の4回無死二塁の第2打席、荘司康誠に対し粘りに粘って3ボール2ストライクから10球目の140キロスプリットを見極め、四球を選んだ。
移籍2年目の今季は規定打席に届かず、102試合に出場して、打率.230、13本塁打、44打点だった。本塁打、打点はチームトップも「本塁打、打点はチームトップかもしれないですけど、最下位ですし、チームのために何も貢献できていない」と唇を噛み締めた。
さらにソトは、「クライマックスシリーズにいけていないので、(打点と本塁打で)トップになったのは嬉しいということはない。もっと試合に出れば、もうちょっと打てたかもしれないですけど、僕はチームのためにいる。そこは残念です」と悔しがった。移籍2年目の今季はチームにとっても、ソト自身にとっても悔しい1年となった。
取材・文=岩下雄太