ヤクルト・青木宣親 (C) Kyodo News

◆ 白球つれづれ2025・第49回

 今月5日、ヤクルトの新GMに青木宣親氏が就任することが発表された。

 小川淳司前GMの後任は既定路線だったが、43歳の若さでチーム全般のかじ取りを担うのは異例のこと。チームの期待の大きさがうかがえる人事だ。

「やりがいだらけです」。

 来年1月1日の正式就任を前に思わず本音が漏れた。

 24年に及ぶ現役生活では日米通算2730安打。MLBでも7球団を渡り歩いた歴戦の強者でも、再建を託された古巣は問題が山積。どこから手をつけていくべきか、迷ったとしても不思議ではない。

 今季のチーム成績は57勝79敗7分けのリーグ最下位。

 投打別に数字を洗いだしても、打撃成績では規定打席に達したのがホセ・オスナただ一人。それも打率.256で18人中の17位だから決して褒められた成績でもない。

 投手に目を転じるとチーム防御率3.59はリーグ最下位。それどころか規定投球回数に達したピッチャーは一人もいない。最も白星を稼いだのが吉村貢司郎の8勝(6敗)止まりで、ほとんどの先発要員は5勝もマークできないのだから高津臣吾監督の退任も致し方なかった。そこに主砲・村上宗隆選手のメジャー挑戦に伴う退団である。

「四番が抜ける。エースもいない。補強ポイントはすべてです」今オフに誕生した池山隆寛監督も就任会見でこう語っている。GMともども“ないない尽くし”からのスタートなのだ。

 そんな青木新GMが、チーム再建の一歩として掲げたのは「競争社会」の実践である。これまでのヤクルトは「家族的なムード」のチーム、ともすればそれは「ぬるま湯的」な甘さとも指摘されてきた。

 しかし、組織がここまで解体的な出直しを迫られたらそんな悠長なことは言っていられない。限られた人数の中で組織の活性化を図るには、全員がライバルとしてギラギラするほどの競争をチーム内に起こす事。

 野球人・青木宣親の生き様を見ればわかる。175センチの小さな体で東京六大学(早大)からプロでレギュラーの座を守り抜いてきた。メジャーでも解雇を告げられれば次の球団で生き残りを賭ける。そんなプロとしての流儀を叩き込めば、チームは生まれ変わるはず。

 村上の流失は確かに痛い。だが青木新GMは「スター選手がいなくなれば新たなスターが生まれる。生まれ変わるチャンス」と前を向く。

 山田哲人、塩見泰隆、長岡秀樹、内山壮真にオスナとドミンゴ・サンタナとレギュラーを張れる選手は多いが、近年は故障者が続出して戦力ダウンを招いている。青木氏はこれも主力の高齢化が原因と分析。彼らに若手のライバルを当てることで競争を生んでいこうとする。

 投手陣でも吉村以外に奥川恭伸、高橋奎二に、昨年のドラフト1位・中村優斗ら有望な若手はいる。こちらも故障者をいかに出さずに、先発四本柱を確立したい。石川雅規、小川泰弘らのベテランと競い合って初めて安定したスタッフが出来上がる。

 秋季キャンプでは、二塁が本職の山田を三塁や一塁でテスト。捕手と外野が専門の内山にも内野コンバートを試みている。これも環境を変えて新たな競争を生み出す流れの一環だろう。

 だが、これだけでチームの上位浮上とはいかない。次なるターゲットは「村上資金」の活用による10勝級外国人投手獲得が予想されるところだ。

 西武が今オフ、DeNAから桑原将志、日本ハムから石井一成選手をFAで積極補強している。これはエースの今井達也、髙橋光成投手のメジャー挑戦に伴うチーム再建策の一環で、資金は今井らのポスティングによる譲渡金が当てられると見られている。

 ヤクルトも同様に村上がメジャー入りすれば巨額の譲渡金が手に入る。これを活用すれば、かなりの大物でも獲得は可能になるはずだ。

 今オフに、国内で目立った補強を行っていない分、密かに獲得へ向けた調査は行っているはずだ。

 それはそのまま、池山新監督へのビッグなプレゼントにも成り得る。メジャーにも幅広い人脈を築いているGMなら、自らが動いて獲得に乗り出すだろう。

 来季に向けて、決して下馬評が高いわけではない。それでもヤクルトには過去にも最下位から優勝と言ったミラクルドラマを生む土壌はある。

 その意味では青木新GM誕生こそが、今オフ最大の補強かも知れない。

文=荒川和夫(あらかわ・かずお)

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この記事を書いたのは

荒川和夫

1975年スポーツニッポン新聞社入社。野球担当として巨人、西武、ロッテ、横浜大洋(現DeNA)等を歴任。その後運動部長、編集局長、広告局長等を経て現在はスポーツライターとして活動中

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