ロッテ・小島和哉(撮影=岩下雄太)

 ロッテの小島和哉は今季5年連続規定投球回に達したが、8勝10敗で3年連続2桁勝利とはならなかった。

 チームがリーグ優勝するためには、小島、種市篤暉といった“両エース格”が長いイニングを投げることに加え、貯金を作っていく必要がある。小島は21年が10勝4敗で貯金6、23年は10勝6敗で貯金4つを作ったが、昨季はシーズン自己最多の12勝をマークするも貯金は2つ。今季は8勝10敗と黒星が先行した。

 小島は貯金を増やすために必要なことについて、「元々防御率もそうですけど、たまにはありますが、0点で抑えるピッチャーではない。しっかり試合を作るという部分で、悪い時にそのまま悪い数字になってしまっている試合が今年に関しては多かった」と反省し、「もともとQSで良いとは思ったことは1回もないですけど、悪くてもHQSあたりの試合をずっと作ることを心がけていたら、その辺りは勝ち星、負け星など変わってくるのかなと思っています」と自身の考えを示した。

 「実際の勝ち負けは打撃陣の兼ね合いもあるので、自分でどうこうできることではないと思いますけど、QS率、HQS率の数字を上げていけるように」と、QS(6回以上3自責点以内)、HQS(7回自責点2以内)の向上を誓う。今季は24試合の登板でHQS数は7、QS数は12。昨季は25試合の登板でHQSは13、QSは16、23年が25試合の登板でHQSは9、QSは16だった。

 「技術的な部分もそうですけど、体力的な部分もないとダメだと思う。あとはしっかり右バッターのホームランの数が多いので、その部分に対してもしっかり対策しないといけないなと思っています」と今季、リーグワーストの20被弾、そのうち右打者に17本の本塁打を浴びるなど、右打者の本塁打を防ぐことも貯金を作るために大事な要素になってくる。

 「自分の数字はもちろん悔しかったですし、それ以上にチームの順位はもっと悔しい思いをした。この順位でも最後までホームでもビジターでもたくさんのファンの人が応援に来てくださって、声量も普段と変わらずに応援し続けてもらった。その声援を感じながら投げるのは嬉しかったですけど、ちょっと申し訳なさというか、歯痒さもあった。もっとヒリヒリするような試合をチームとしても見せられたらなと来年非常に強く思っている。来年必ず見返したいなと思います」。来季は勝利に数多く貢献し、貯金数を多く作って欲しい。

▼小島の年度別勝敗

19年:3勝5敗

20年:7勝8敗

21年:10勝4敗

22年:3勝11敗

23年:10勝6敗

24年:12勝10敗

25年:8勝10敗

取材・文=岩下雄太

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