侍ジャパン・井端監督(左)とソフトバンク・小久保監督(右) (写真=Getty Images)

◆ 白球つれづれ2026・第8回

 侍ジャパンの強化試合が22日から始まった。

 ソフトバンクを相手に初戦は13対3で圧勝(7回降雨コールド)。

 特に阪神勢の活躍が目覚ましく、佐藤輝明、森下翔太、坂本誠志郎の3選手で6安打11打点の猛爆ぶり。

佐藤輝は岡本和真選手(ブルージェイズ)と三塁争い、森下は近藤健介(ソフトバンク)、鈴木誠也(カブス)吉田正尚(レッドソックス)各選手との“外野戦争”に勝ち抜かなければ、レギュラー定着はない。井端弘和監督にとって、嬉しい悩みが増えたはずだ。

 ところが、第2戦になると、一転、ソフトバンク投手陣の前にあわやノーヒットノーランを喫しそうな“お寒い”試合で散発2安打の完封負け。

 試合中盤からは「サポートメンバー」と言う手伝い要員が出て来るばかりでは、満員の観客も、テレビ中継で見守ったファンにもフラストレーションがたまるばかりだろう。

 WBCに臨む今年の侍ジャパンは大谷翔平や山本由伸(共にドジャース)ら史上最多の9選手がメジャー組。まだ帰国していない選手も多く、実戦形式のメンバーを組むにも大変だ。

。今月27日の名古屋で開催される強化試合から全員集結が予定されているが、投手陣には気がかりな材料も多い。

 強化合宿前から阪神・石井大智がアキレス腱断裂、西武・平良海馬が左ふくらはぎ肉離れで代表から離脱。ここへ来て松井裕樹(パドレス)も左脚付け根の張りで辞退が確実視されている。いずれも試合の終盤を任せる抑え候補だっただけに、首脳陣は再編に迫られている。大一番を前にした危機管理が求められる。

 この第2戦を見て、改めてソフトバンクの危機管理を考えさせられた。

 とにかく戦力層が厚い。侍打線を2安打リレー完封した顔ぶれを見ると、先発のスチュワート・ジュニアと東浜巨こそ一軍の実績があるが、アレクサンダー・アルメンタや藤原大翔に至っては育成選手。それが150キロ超の快速球で日本代表をねじ伏せるのだから、他球団から見ればうらやましい限りだ。

 2年連続最多勝の有原航平投手が日本ハムに移籍。さらに昨年は“抑えの方程式”の一角で活躍した藤井晧哉投手が右肘のコンディション不良で出遅れている。それでも不安を感じさせないのは、四軍まで含めた組織力があるからだ。

 交代要員はまだまだいる。この企業戦略こそが常勝軍団の危機管理と言える。

 それだけではない。今キャンプでは不動の三塁・栗原陵矢選手に捕手まで練習させている。元々、捕手で入団した栗原には、捕手陣に何かあった時や打棒優先のオーダーを組みたい時のテスト策の狙いがある。

 不動の遊撃手だった今宮健太選手にも二塁手として起用するプランもある。レギュラークラスでも安泰ではいられない。これも小久保裕紀監督流の危機管理術である。

 ホークスの最大のライバルと目される日本ハムもユニークなキャンプを実践している。

 新庄剛志監督が「防災訓練」と名付けたのは、首脳陣の役割をシャッフルしようと言うもの。日頃、サインを伝達する林孝哉ヘッドコーチがインフルエンザに罹ったと言う想定で19日の中日との練習試合では、山田勝彦バッテリーコーチが監督役になり、谷内亮太内野守備走塁コーチがサインを出す役割をテストしている。こんなことまでやっている、と知らせて、コーチ陣全体にも刺激を与える新庄流の危機管理だ。

 実践面では「セコセコ野球」にトライしている。無死、もしくは一死三塁の場面でヒットエンドランのサインに打者は必ず内野ゴロを打って三塁走者を生還させる作戦だ。「スクイズを警戒された時のため」と新庄監督は説明するが、あえて報道陣の前で公開するあたりが、シーズンに向けた陽動作戦かも知れない。

「ライバルは小久保裕紀」と公言する新庄監督のターゲットは打倒ソフトバンクとリーグ優勝しかない。

 充実する戦力に、組織としての危機管理術。パの二強に死角を探すのは難しい。

文=荒川和夫(あらかわ・かずお)

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この記事を書いたのは

荒川和夫

1975年スポーツニッポン新聞社入社。野球担当として巨人、西武、ロッテ、横浜大洋(現DeNA)等を歴任。その後運動部長、編集局長、広告局長等を経て現在はスポーツライターとして活動中

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