ロッテ・澤田圭佑 (C) Kyodo News

 「スプリットに変えました。握りを浅めにしました」。

 ロッテの澤田圭佑は、速くて落ちるフォークを目指して昨年秋から練習に励んできたが、握りを浅くしたスプリットに変更して今季に挑むことを決めた。

 澤田は3月3日の取材でフォークについて「ストレートがちょっと今遅いので、それにつられて遅い」と、実戦始まってから自身の納得いくスピードを出せていなかった。3月10日のオリックス戦、1-4の8回一死走者なしで太田椋に2ストライクから投じた3球目(137キロフォーク)、4球目(138キロフォーク)とボール球になったが、140キロに迫るフォークを投げた。太田の3球目と4球目に投げたボールこそ、握りを浅めにしたスプリット。

 3月13日の西武戦では、1-2の7回一死一塁で石井一成に1ストライクから投じた2球目の135キロのスプリットで空振りを奪い追い込むと、続く3球目の134キロスプリットで空振り三振に仕留めた。本人も石井に投じたスプリットについて「素晴らしかったです」と自画自賛。外にシンカー気味に落ちていたが、シンカー気味に落とすことを意識しているのだろうかーー。

 「狙っていないですけど、(シンカー気味に)なりました」とのことだ。

 スプリットはシンカー系の軌道を理想にしているのか訊くと、「理想は縦に落ちる感じですけど、あれはあれで悪くないですね」と明かした。

 これまでの取材で澤田は「チェンジアップが得意なんですけどフォークが苦手なんですよ」と話し、23年には前田健太(楽天)、トレバー・バウアーのYouTubeを見て勉強し“スプリットチェンジ”を投げたり、24年には当時チームメイトだった西村天裕から教わりスプリットを真似て投げたりしていた。

 その中で、今回スプリットの方が良いと思った理由について「球速ですね」と説明。確かに、オフから速くて落ちるフォークを目指し練習に励んできた。「チェンジアップに似ている球種になるので、チェンジアップと違う落ち球というので速くないと分けられない。遅い変化球やと、チェンジアップ一括りになる。スピードアップして変化を出すという感じです」。

 季節や指の感覚によってスピードが出たり、出なかったりするのだろうかーー。昨年も130キロ台のフォークを目指しながら、120キロ台のフォークになることもあった。「多分もうないと思います。今の狭さで握っていたらスピードは出そうな感じがします」と自信を見せた。

 昨年秋からフォークを練習してきた中で、開幕前にスプリットに変更するのは勇気のいるように思える。

 「秋にスプリットをめっちゃ練習していました。ジョニーさん(黒木知宏投手コーチ)にスプリットを見てもらって、1回完成したかなと思ったんですけど、ピッチングのトラックマン、ブルペンやったら13日の西武戦で投げていたスプリットは落ちる表示がされないんですよ」

 「落ちないなと思って、2月に美馬さん(二軍投手コーチ)がフォーク得意なので、ちょっと深く挟むようなフォークを教えてもらったら、ブルペンでめっちゃ落差が出るんですよ。対バッターと考えた時に、開幕していく段階なので、大きい怪我(打たれる)するような球種を投げちゃいけない。リリーフなので。そうなったときに、13日の西武戦で落ちなくてもいいから速い変化球というのをチョイスして、スプリットにしたというのがあるので。練習していないわけではないです。秋もスプリット、フォークの両方を練習していました」

 昨年の秋からフォーク、スプリット、どちらでも投げられるように練習を重ねていた。「大きい長打を打たれたくないので、そのリスクを少ない方をとったという感じです」と、このタイミングでフォークからスプリットに選択肢を変更したということだ。

 昨季は練習していたスライダーを勝負球で使えるようになり投球の幅が広がった。スプリットが良ければ、投球の幅はさらに広がる。

 「ちゃんと変化球でも勝負できるような感じになりそうなので、チェンジアップが一番良い変化球ではあるけど、そこにスライダー、スプリットが追いつくぐらいの感じになってきた。安心感というか、変化球3個、自信持って投げられる変化球になっている感じですね」。スプリットという新たな武器を携えて、打者を打ち取っていく。

取材・文=岩下雄太

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この記事を書いたのは

岩下雄太

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