コラム 2017.02.01. 17:15

逆襲に燃える“がけっぷち”の選手たち

もう後がない斎藤佑樹


 いよいよ始まったプロ野球の春季キャンプ。それぞれの選手が様々な想いを胸に、新たなシーズンへ向けた準備を整える。


 かつて甲子園を沸かせたヒーロー・斎藤佑樹(日本ハム)は、今年の6月で29歳になる。昨年がちょうど“あの夏”から10年であった。

 高校、大学と幾多の栄光を掴んだ男は、プロ入り後の2年間で11勝をマークしたものの、その後の4年間ではわずか3勝のみ。“がけっぷち”に立たされていることは、もちろん本人も承知していることだろう。

 復活にかけるこのオフは、同僚の中田翔も契約しているトレーナー・ケビン山崎氏と3カ月に及ぶトレーニングを敢行。フルパワーではないながらも、この時期としては異例の球速145キロをマークしたと公表した。

 今季の目標は「キャリアハイ」。背番号も「18」から「1」に変更となって迎える大事なシーズンであるが、今季こそ大きな飛躍を果たせるだろうか。


復活を期す投手たち

浅尾拓也,

 “がけっぷち”に立たされているのは斎藤だけではない。投手なら、摂津正(ソフトバンク)もそのひとりだ。

 昨季は5年連続の開幕投手を務めたものの、その楽天との試合では3回6失点で敗戦投手に。その後も早いイニングで打ち込まれるケースが目立ち、4月8日には出場登録を抹消された。

 戦列復帰した8月以降はなんとか2勝を挙げたが、5年間続いていた連続2ケタ勝利は途絶えてしまった。数字だけを見れば昨季がたまたま不調だったとも言えるが、数年前から球威の衰えを指摘する声というのは増えている。

 ソフトバンクを常勝軍団へ押し上げた貢献者のひとりである摂津だけに、「このまま終わってほしくない」と望むファンは多い。


 そしてもう一人、近年ケガとの戦いが続いているのが浅尾拓也(中日)。2010~2011年には最優秀中継ぎ投手に輝き、チームのリーグ連覇に大きく貢献。2010年に記録した47ホールドはプロ野球記録だ。

 しかし、その後はケガに悩まされ続けている。昨季は右肩痛の影響により、プロ入り後初めての一軍登板なし。2012年以降の4年間での通算成績は、121試合で5勝5敗5セーブ、61ホールドで防御率2.77。決して悪い数字ではないが、一時期の圧倒的な投球を思えば衰えを感じてしまうのも事実である。

 肩への負担を減らすため、先発再転向も視野に入れているという情報も...。竜の豪腕は完全復活を果たせるだろうか。


“がけっぷちの先輩”に弟子入りした堂林

堂林翔太 ,

 野手に目を向ければ、世代交代の波に飲まれつつあるのが鳥谷敬(阪神)だ。

 長く虎の顔として活躍してきた鳥谷だったが、昨季6月には自己ワーストの28打席連続無安打を記録するなど大不振。ついに7月24日の広島戦でスタメンを外れ、連続フルイニング出場が667試合でストップすると、以降は期待の若手・北條史也の台頭もあって出番が激減した。

 個人成績も打率.236、7本塁打、36打点。これまでの安定感はまるでなく、高額年俸も相まって風当たりは強くなる一方だ。今季は主将の座も福留孝介に譲り、個人として勝負の年となる。


 また、長いトンネルに苦悩している選手といえば、堂林翔太(広島)もその一人である。

 プロ3年目の2012年、野村謙二郎監督(当時)の期待を受けて開幕スタメンに抜擢。いきなり14本塁打を放ってブレイクした“鯉のプリンス”も、その後は低迷の一途を辿っている。ちなみに、昨季は47試合の出場で打率.250、2本塁打で2打点に終わった。

 「ポジションにはこだわらない」と出場機会を求める男。しかし、チーム内の競争の激しさは増すばかりだ。

 三塁には、飛躍的な成長を遂げている安部友裕に加え、ベテランの梵英心や2年目の西川龍馬らが争う。外野も同様、右翼・鈴木誠也の大ブレイクにより、丸佳浩の中堅と併せてよほどのことがなければ2ポジションは埋まっていると言っていい。残る左翼も、助っ人・エルドレッドのほか、松山竜平、下水流昴らがひしめく激戦区なのだ。

 逆襲にかける堂林はこのオフ、新井貴浩に弟子入りして合同自主トレを敢行。いまや恒例行事となった「護摩行」にも同行した。

 新井といえば、阪神在籍時代に出場機会が激減した経験を持つ“がけっぷち”の先輩でもある。その新井から肉体づくりはもちろん、練習や試合に臨む姿勢など、メンタル面も含め多くのことを学んだはずだ。

 
 まだ終わっちゃいない。キャンプで首脳陣やファンに健在ぶりをアピールすることができるか。復活にかける“がけっぷち”の男たちに注目だ。


文=清家茂樹(せいけ・しげき)

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