コラム

虎の象徴へ…北條史也の開花に期待

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日本ハムとのオープン戦で1試合2本塁打を放った北條(C)KYODO NEWS IMAGES

日本一チームから2発


 2月25日、野球ファンが待ちに待ったオープン戦がついにスタート。その初戦で、期待の若虎が大きく進化した姿を見せつけた。

 プロ5年目を迎えた北條史也は、日本ハムとの一戦に「1番・遊撃」で先発出場。3回にWBCメキシコ代表のルイス・メンドーサから先制2ランを放つと、先頭で迎えた8回にも一発。昨年王者からいきなり2本のアーチを描いてみせた。

 初戦でいきなり残した結果もさることながら、その内容も評価されるべきものであった。

 メンドーサからの本塁打は、甘めのツーシームをややバットの先でとらえて追い風に助けられた一打だったものの、井口から放った1本は内角の直球をうまくとらえたもの。通常ならファウルになってもおかしくないようなコースだったが、腕をたたんで体の回転で左翼ポール際へと運ぶという、技術的な進歩も感じさせる一打であった。


もともとスラッガーとしての資質十分


 甲子園での華々しい活躍から、大きな期待を背負って入団した北條。しかし、男が本職とする遊撃には、鳥谷敬というチームの顔が長く君臨していた。

 そのため、2015年までの一軍出場はわずかに1試合・1打席のみ。加えて同世代には大谷翔平(日本ハム)という規格外の選手がおり、近年は山田哲人(ヤクルト)や鈴木誠也(広島)のように高卒でも異常なほど急角度の成長曲線を描く野手が立て続けに現れていただけに、男が目立つことはあまりなかった。

 むしろ期待が大きかった分、もの足りなさを指摘する声も少なくなかったが、その歩みを振り返ってみると順調に、着実に成長の跡を残している。以下は、プロ入りから3年間の北條の二軍成績だ。

【北條史也・二軍成績】
2013年:84試 率.199(221-44) 本1 点20 盗1
2014年:102試 率.259(324-84) 本2 点23 盗2
2015年:112試 率.243(403-98) 本10 点43 盗2

 高卒3年目の2015年には、ウエスタン・リーグ7位の10本塁打を記録。177センチ・75キロと体は大きくないが、光星学院高(現八戸学院光星高)3年時の夏の甲子園では、準決勝で2打席連続アーチをバックスクリーンに打ち込むなど、1大会で4本塁打をマークしているように、長距離砲としての資質も持ち合わせている選手だ。


 プロ4年目を迎えた昨季は一軍で122試合に出場し、打率.273、5本塁打で33打点、6盗塁を記録。上の舞台でも結果を残し、あの鳥谷から遊撃のポジションを奪った。今季はただレギュラーとして定着するのみならず、“打てる遊撃手”としての開花に期待がかかる。

 金本知憲監督が掲げるスローガン「超変革」の象徴のひとりでもある北條。一軍定着2年目でさらなる“超変革”を自身にもたらすことができるだろうか。


文=清家茂樹(せいけ・しげき)
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