昨季を超えるペースでヒットを量産中!
セ・リーグ連覇をめざす広島の勢いが止まらない。
首位決戦ということで注目された巨人との3連戦を全勝で終え、1分けを挟んでついに10連勝を達成。週末の阪神戦は1勝2敗と負け越しを喫するも、貯金8つで2位に2.5ゲーム差をつける好ダッシュを決めた。
開幕ダッシュの立役者はいくらでも挙げられるが、絶対に欠かせないのが主砲・新井貴浩だ。25年ぶりのリーグVに導いた昨季同様の勝負強さを発揮し、これまでチームトップの13打点をマーク。13日の巨人戦でも初回のチャンスでいきなりタイムリーを放ち、電光石火の先制劇を生んだ。
悲願の優勝を果たしたこともあり、いわゆる“燃え尽き症候群”を心配する声も聞かれたが、40歳の大台に乗って迎えた新シーズンは絶好調そのもの。今季はここまで全14試合に出場し、うち5試合でマルチ安打を記録するなどすでに15安打を放っている。
これは132試合で136安打を記録した昨季をもしのぐペース。今年はその数字をどこまで積み上げるのか、注目が集まっている。
今季中の“ベスト20入り”はほぼ確実
昨季終了時点で2107だった通算安打数は、現在2121まで進んだ。
歴代通算安打ランキングを見てみると、今季だけで谷繁元信(2108安打)、前田智徳(2119安打)、小笠原道大(2120安打)の3人を抜き去り、現在は清原和博と並ぶ歴代25位タイ。球史に名を残す強打者たちの記録を次々に超えていっているのだ。
仮に新井が昨季と同じ136安打をマークしたとすると、シーズン終了時には2243安打に到達することとなる。これは歴代18位の数字だ。下記は、今季中に新井が抜き去る可能性がある通算安打ランカーである。
【通算安打記録ランキング】
15位 2314本 榎本喜八
16位 2274本 高木守道
17位 2271本 山内一弘
18位 2228本 大杉勝男
19位 2204本 大島康徳
20位 2173本 若松 勉
21位 2167本 稲葉篤紀
22位 2157本 広瀬叔功
22位 2157本 秋山幸二
24位 2133本 宮本慎也
25位 2122本 清原和博
25位 2122本 新井貴浩
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27位 2120本 小笠原道大
28位 2119本 前田智徳
29位 2108本 谷繁元信
30位 2101本 中村紀洋
晩年に広島で活躍した大先輩・山内一弘の2271安打までは残り149本。ここまでの好調ぶりを見る限り、今季中に到達してもなんらおかしくない。
こうして見ると、新井は現役ながらすでに“レジェンド”の一員となっていると言っていいだろう。チームの勝敗も当然気になるところであるが、日々更新され続ける新井の“通算安打数”からも目が離せない。
文=清家茂樹(せいけ・しげき)