コラム 2017.05.01. 18:26

【白球つれづれ】左腕王国誕生へ 課題は5月病の克服

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DeNAのルーキー浜口(左)(C)KYODO NEWS IMAGES

白球つれづれ2017 ~第9回・浜口遥大~



 過日、本年度の野球殿堂入りが決まった平松政次(現野球評論家)と会った。弱小球団だった大洋、横浜時代の大エースで積み上げた白星は201。V9黄金時代の巨人を向こうに回しても真っ向勝負。代名詞となった「カミソリシュート」はあの長嶋茂雄も容易に打てず、スウィング始動時にバットの握りを瞬時に短く持ち替えて対応した逸話も残っている。

 その大投手が「彼はいいよ」と表情を崩す先にいたのはドラ1ルーキーの浜口遥大だ。

 「スピードがそこそこある上にチェンジアップが素晴らしい」。平松に限らず関係者が揃って高い評価を与える伝家の宝刀は140キロ台後半の直球と腕の振りがほとんど一緒でタイミングを外してくるから対戦打者は面食らう。


セの隠れトップ候補


 プロで長く活躍する投手にはいくつかの必要条件がある。本格派の場合はストレートに球威がある上で絶対的なウィニングショットを持っていること。内外角に投げ分ける制球力があること。ピンチにも動じない精神力を有していることなどだ。浜口に当てはめて検証してみる。

 5月1日現在の成績は4試合登板して2勝0敗。投球回数23回、被安打20、奪三振26、与四死球12で失点は6ながら自責点は3で防御率1.17。規定投球回にわずかに足りないもののセ・リーグ投手成績の“隠れトップ候補”なのだ。

 先月2日のヤクルト戦でプロデビュー。この時は味方のエラーもあって4失点と不本意に終わったが続く中日戦で早くもプロ初勝利。毎回のように塁上を賑わしたが要所を締めて自責はゼロだ。

 続く広島戦では5回を8奪三振と凄みが増してくる。そして25日の阪神戦では7回途中までノーヒット、7奪三振の快投を見せている。最後は連打などで満塁のピンチに降板となったが救援陣の助けもあり2勝目。開幕ダッシュに失敗したチームにあって及第点以上の活躍を見せるルーキーは先発ローテーションの一角を手にした。


豊作の2017年!?


 浜口の投球内容から特筆されるのは奪三振の多さと防御率の素晴らしさだろう。安打もそこそこ打たれているのに結果としては抑え込んでいる。つまり、ウィニングショットのチェンジアップを有効に配して勝負所で三振が取れている。新人ならピンチに自滅することもあり得るがそれを乗り切る精神力も合格。好投手の条件を実践しているわけだ。

 今年はルーキーの当たり年と言われる。浜口以外にも広島の加藤拓也、床田寛樹、ロッテの佐々木千隼らが初勝利を上げれば、野手でも西武・源田壮亮、中日・京田陽太らがレギュラーとして活躍している。

 だが、プロの世界はこのまま順風満帆とはいかない。特にルーキーたちの試練となるのが「五月病」である。


若き左腕王国誕生へ


 開幕からほぼ1カ月。キャンプ、紅白戦、オープン戦とアマチュア時代よりレベルの高い世界でアピールに成功したものだけが一軍切符を手にする。この間、約3カ月。精神的にも肉体的にも緊張と疲労が最初のピークに達する。

 加えて対戦カードも一回りしてくると相手チームの研究、分析も進む。データが少ないうえに怖いもの知らずで戦ってきたルーキーが二回り目の壁にぶつかりやすいのも「五月病」の特徴だ。

 浜口の次なる相手は巨人。1ゲーム差で激突はAクラス浮上の絶好のチャンス。阪神相手の快投を再現できればエースの座だって夢じゃない。

 「我々の頃はいい左ピッチャーがいなかったのに今はいい素材が揃ってきたね」と平松は後輩の活躍に期待する。開幕投手を務めた石田健大と昨年8勝をマークした今永昇太に浜口が加われば球界屈指の若き左腕王国が誕生する。まずは5月最初の浜口の投球に注目してみたい。


文=荒川和夫(あらかわ・かずお)

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