直近11試合で被安打1のジャクソン
広島のセットアッパーを務めるジャクソンが、盤石の投球を続けている。
5月13日の巨人戦。3点リードで迎えた8回から登板すると、この日2安打を放っていた先頭の橋本到を左飛に打ち取り、続く首位打者・坂本勇人にはセンター前に抜けようかという当たりを打たれるも、菊池涼介の好捕にも助けられて二ゴロ。そして主砲・阿部慎之助は初球で一飛に仕留め、結果的に打者3人をわずか6球の省エネ投球で片付けてみせた。
リズム良く裏の攻撃に臨んだチームは、1イニングで一挙6点を奪う猛攻。終わってみれば11-2の大勝で、1ゲーム差に迫っていた巨人を退けた。
ジャクソンは今季16試合の登板でいまだ無失点。当然、防御率は0.00だ。昨季は67試合で防御率1.71という素晴らしい内容を残したものの、日本シリーズでは致命的な失点を重ねるという不本意な結果に終わった。その影響ではないのだろうが、開幕直後には登板5試合連続で安打を許すなど、安定感を欠く内容を不安視する声も聞こえていた。
ところが、4月12日の巨人戦以降は11試合で被安打わずか1。みるみるうちに調子を上げてきている。ここに来て投手陣のほころびが目立ちはじめている広島ではあるが、「ジャクソンまでつなげばなんとかなる」と思わせるような絶対的な存在がいることは、チームにとって大きな強みである。
上位球団には盤石の中継ぎ投手あり
このように、チームに“安心感”をもたらしてくれる投手というのはジャクソンだけではない。
開幕からおよそ1カ月半、ここまで10試合以上に登板して「防御率0.00」を継続中の中継ぎ投手は以下の通りだ。
【防御率0.00の中継ぎ投手】※10試合以上に登板
サファテ(ソフトバンク) 16試(15回2/3) 0勝0敗14セーブ・2ホールド
ジャクソン(広島) 16試(15回2/3) 0勝0敗1セーブ・11ホールド
福山博之(楽天) 16試(13回2/3) 1勝0敗 10ホールド
牧田和久(西武) 14試(15回1/3) 0勝0敗 6ホールド
好調なチームを支えている4人は、なんと5月13日に全員が“そろい踏み”。それぞれの試合で登板を果たし、やはり無失点に抑えている。
投手分業制が確立されて以降、中継ぎ投手の重要度は増す一方。当然、強いチームのブルペンでは安定感抜群の中継ぎ投手が自らの出番に備えている。彼ら4人が所属するチームが全て3位以上の上位をキープしているのはただの偶然ではないだろう。
個人タイトルの多さなどもあって、スポットライトを浴びるのはどうしても先発投手が中心となるが、当たり前のように任されたイニングを無失点に抑えて戻ってくる中継ぎ投手の貢献にも大いに注目していきたい。
文=清家茂樹(せいけ・しげき)