ナショナルズの快進撃
メジャーリーグは間もなくオールスターブレークを迎えるが、シーズン前半を盛り上げたチームの1つがワシントン・ナショナルズだ。
ナショナルズは、7日時点(現地時間)で51勝35敗という好成績を残し、ナ・リーグ東地区2位のアトランタ・ブレーブスに9.5ゲーム差をつけ首位を快走している。
驚異のクリーンナップトリオ
若き大砲ブライス・ハーパー、ケガから復活を果たした生え抜きのライアン・ジマーマン、そして移籍2年目のダニエル・マーフィーと続くクリーンナップはメジャー屈指の破壊力を誇る。
現在のナ・リーグ打率ランキングを見ると、上位4位までにクリーンナップを張る3人の名前がある。
【ナ・リーグ打率ランキング(7日現在)】
1位 マーフィー(ナショナルズ) .341
2位 ジマーマン(ナショナルズ) .334
3位 ポージー(ジャイアンツ) .326
4位 ハーパー(ナショナルズ) .321
捕手ながら3位にランクインしているポージーが4人の中では唯一、首位打者の経験がある。そのポージーを押しのけて、同一チームから上位3位までを独占することは果たしてできるのだろうか。
カギを握るのはジマーマン!?
ハーパーは2年前に打率.330をマーク。マーフィーも昨季.347で首位打者を争った経験がある(結果は1厘差の2位)実力者。ジマーマンは2010年にマークした.307が自己最高となっており、3人が上位を独占できるかは、ジマーマンがカギになりそうだ。
打率3位までを同一チームの選手が占めた例は1945年以降一例しかない。1993年のア・リーグでその快挙は生まれた。
【1993年ア・リーグ打率ランキング】
1位 オルルド(ブルージェイズ) .363
2位 モリター(ブルージェイズ) .332
3位 R.アロマー(ブルージェイズ) .326
2位のモリターと3位のロベルト・アロマーは、後に殿堂入りを果たした名選手。また、その年の首位打者に輝いたオルルドも通算2339安打を放った好打者だった。
93年のブルージェイズには、この3人以外にも31本塁打&121打点のジョー・カーター、34盗塁のデボン・ホワイトなど豪華メンバーがそろっていた。このチームが、この年のワールドシリーズを制覇したのは言うまでもない。
同じカナダにルーツを持つナショナルズ。クリーンナップトリオがこのまま高打率を維持し、93年のブルージェイズのようなビクトリーロードを歩むことはできるのか、楽しみにしたい。
文=八木遊(やぎ・ゆう)