コラム

王者ソフトバンクの強さは鉄壁の守備にあり

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堅守のソフトバンクを支える不動の遊撃手・今宮

中村晃、今宮が魅せた“これぞプロ”という好プレー


 9月16日、ソフトバンクが2年ぶりにリーグ王者に返り咲いた。ソフトバンクというと12球団最多の152本塁打をはじめあらゆる打撃指標でトップクラスの数字を残す強力打線が注目されがちだが、投手力はもちろん守備力も含めた総合力にその強さがある。

 今季、その守備力の高さが明白に表れた数字がある。それは、チーム失策数だ。ソフトバンクのこれまでの失策数は37。これは、2位楽天の63失策を大きく引き離したぶっちぎりでのリーグトップ。68失策の2015年、67失策の2016年と連続してリーグ最少失策を誇るソフトバンクではあるが、今季は異常ともいえるほどの激減ぶり。他を寄せつけない堅守を見せつけている。

 9月17日の西武戦では、中村晃、今宮健太が目を見張る好プレーを披露した。3回、2死一、三塁のピンチで浅村栄斗がバットの先で拾った打球は左翼、中堅、遊撃の間へふらふらと上がった。ラッキーな適時打になる寸前、猛然と突進してきた左翼・中村が頭から飛び込んで好捕。あまりにグラウンドすれすれでダイビングキャッチというよりヘッドスライディングキャッチとも呼ぶべき好プレーに先発・千賀滉大も驚きの表情でバンザイ。

 6回にはリーグを代表する守備の名手・今宮が華麗なプレーを披露。山川穂高がたたきつけ高く跳ね上がった打球は二遊間へ。中堅前に抜けようかという当たりだったが、バウンドにタイミングを合わせてジャンピングキャッチした遊撃・今宮は体を反転させて素早く一塁へ送球し間一髪アウト。「これぞプロ」という広い守備範囲、捕球から送球までのスピード、強肩でファンを沸かせた。

 この日の試合は延長の末にサヨナラ負けを喫し、甲斐拓也が1失策を記録したものの、ソフトバンクの高い守備力を感じさせるものであった。


プロ野球記録は1991年西武の38失策


 シーズン最少チーム失策のプロ野球記録は1991年の西武が記録した38失策だ。当時の西武は辻発彦に平野謙、秋山幸二、清原和博、石毛宏典、伊東勤らゴールデングラブ賞の常連のほか、田辺徳雄、吉竹春樹という守備の名手もそろい、全ポジションに穴がないまさに鉄壁の布陣。プロ野球記録も納得のメンバーである。

 ただ、当時はシーズン130試合制だったことを考えると、すでに132試合を消化した今季のソフトバンクは、実質的にその記録を塗り替えたともいえる。ソフトバンクの残り試合数は11試合。果たしてプロ野球記録を更新することになるのか。シーズン終幕まで目が離せない。

※数字は2017年9月18日終了時点

文=清家茂樹(せいけ・しげき)
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