高卒1年目の新星が活躍
24日にマツダスタジアムで行われた広島対DeNAは、DeNAが4番・筒香の2打席連続を含む5本の本塁打などで9点を奪って快勝。19年ぶりの日本シリーズ進出を決めたが、そのうちの1点は高卒1年目の細川成也による適時打だった。
4回二死一・二塁から三嶋一輝の代打として登場した細川は、大瀬良大地が投じた内角への初球を中堅へ弾き返し、ラミレス監督の起用に応えるなど、シーズン最終盤の活躍でCSのメンバーに滑り込んだ高卒ルーキーが大舞台でも結果を残した。
19歳新人の衝撃デビュー
CSでは代打で5度打席に立ち、3度出塁(1安打2四球)するなど、19年ぶりの日本シリーズ進出に貢献した。その細川が産まれたのが、1998年の8月4日。ベイスターズが最後に日本シリーズ出場を果たした年になる。
1998年8月4日
ちなみに1998年8月4日の横浜のスタメンは以下のとおり。この選手たちが活躍していた時期に、細川は産まれたことになる。
▼1998年8月4日スタメン(横浜/阪神)
1(遊)石井琢朗 (右)坪井智哉
2(中)波留敏夫 (二)和田豊
3(左)鈴木尚典 (遊)今岡誠
4(二)ローズ (左)桧山進次郎
5(一)駒田徳広 (三)ハンセン
6(右)佐伯貴弘 (一)大豊泰昭
7(捕)谷繁元信 (中)新庄剛志
8(三)進藤達哉 (捕)矢野輝弘
9(投)三浦大輔 (投)川尻哲郎
今も現役でプレーしている選手はいなくなったが、広島で打撃コーチを務める石井琢朗、昨季まで中日の監督を務めていた谷繁元信、昨季引退を表明した三浦大輔などが活躍していた。当時の“マシンガン打線”を記憶しているファンには、懐かしいメンバーが揃っているのではないだろうか。
阪神でも、2015年まで監督を務めた和田豊や、二軍監督に就任する矢野燿大(矢野輝弘)、当時から人気を集めていた新庄剛志など、現在でも名前が知られる選手が、顔を揃えている。他にも当時は遊撃手だった今岡誠、一本足打法の大豊泰昭など、当時を知るファンは思い出が蘇る面々だ。
この試合は2-1で横浜が1点差を守りきり勝利した。三浦が7回1/3を投げ1失点。左腕・阿波野秀幸(現・巨人三軍コーチ)がリリーフして0回2/3を無失点に抑え、最後は“大魔神”佐々木主浩が1回を無失点に抑えている。
阪神もサイドスローの先発投手・川尻哲郎が6回を2失点に抑え、弓長起浩が1回無失点、中継ぎ陣の“課長”と呼ばれた伊藤敦規も1回を無失点に抑えたが、打線の無援護に泣いた。4番・桧山進次郎に代打で平塚克洋を起用するなど、苦肉の策も功を奏さなかった。
1998年に産まれの選手たち
最後に日本シリーズ進出を果たした年に産まれた子供がDeNAに入団し、日本シリーズ進出に貢献…。出番はそれほど多くないかもしれないが、1998年産まれの男が日本シリーズの舞台でどのような活躍を見せるか、その打席が今から楽しみだ。
ちなみにDeNAにはもう3人、1998年産まれの選手がいる。松尾大河、京山将弥、山本武白志だ。松尾は4月5日、京山は7月4日、山本は2月17日が誕生日。彼ら3人のこれからの活躍にも期待したい。
文=栗栖章(くりす・あきら)