順当?意外?な急上昇
いまや誰もが日常的に触れ、使用するツールとなったインターネット。特に意識をしていなくても、何かを検索するのに『Yahoo!』や『Google』を使っているという人は多いのではないだろうか。
2018年になってすでに数日が経ったが、ここで2017年の野球界を「Googleトレンド」から改めて振り返ってみたい。
「Googleトレンド」とは、過去や現在の検索トレンド(傾向)が分かる機能で、『Google』検索での急上昇ワードなどを調べることができる。今回は2017年1月1日から12月30日までを対象に、1週間単位でアクセス数などを調査した。
▼ 「大谷翔平」
日本のプロ野球界に別れを告げ、2018年からは新たにメジャーリーグに活躍の舞台を移す大谷翔平。17年は故障もあり、成績的には不本意なシーズンに終わった。それを反映したのか、「大谷翔平」が最もアクセスされたのは、オフ期間の12月10日~16日の1週間だった。直前の12月9日に大谷のロサンゼルス・エンゼルス移籍が決まり、アクセスが急上昇。10日に行われた入団会見もアクセス増加につながった。
ちなみにアメリカでも12月に入り、「Ohtani」の検索数は急増している。州別の年間アクセス数では、カリフォルニア州ではなく、ワシントン州からのアクセスが最も多かった。マリナーズ入りもうわさされていたため、地元マリナーズファンが「Ohtani」について調べたのだろう。日本国内では、出身地の岩手県からのアクセス数が北海道からのそれを2倍超上回った。
▼ 荒木雅博、阿部慎之助、鳥谷敬
2017年のプロ野球では、3人の打者が通算2000安打を達成した。6月3日に達成した荒木雅博(中日)は、5月28日~6月3日の1週間のアクセス数が最も多かった。Googleトレンドで調査可能な2004年以降でも、この1週間のアクセス数が群を抜いて多かった。
阿部慎之助(巨人)は、8月13日に2000安打を達成。こちらも予想通り、8月13日~19日のアクセス数が最も多かった。
ところが、9月8日に2000安打を達成した鳥谷敬(阪神)だけは少し事情が違った。「鳥谷敬」の年間アクセス1位は5月21日~27日の1週間。これは、5月24日の巨人戦で顔面に死球を受けたことが影響しているとみられる。連続試合出場記録の継続が危ぶまれたが、翌日は代打で出場。2017年も全試合に出場し、シーズンを終えた。
▼ イチロー
最後を飾るのは、いまだに去就が決まらない「イチロー」だ。最多アクセスは4月16日~22日だった。
この時期に何があったかと言うと、4月17日に行われたマリナーズとの古巣戦で、かつての本拠地であるセーフコ・フィールドに3年ぶりに凱旋。19日の一戦では劇的な凱旋弾を放ち、多くのメディアに取り上げられた。
続いてアクセスが多かったのが、3月5日~11日の1週間。日本と同じくメジャーでもオープン戦期間中に当たるが、イチローはこの時期、オリジナルの日替わりTシャツをお披露目することで知られている。
毎年恒例となった「Googleトレンド」で野球界を振り返るこの企画。2018年はどういったワードが注目を浴びるのだろうか。
文=八木遊(やぎ・ゆう)