メジャー71発のロサリオ(阪神)に51勝のジー(中日)
キャンプインを目前に控え、2018年シーズンに臨む各球団の陣容も固まってきた。今オフの補強策で目を引くのは、メジャーでも高い実績を残している新外国人との契約が目立つこと。今回はセ・リーグにおける要注目の“高実績新助っ人”を取り上げてみたい。
野手ではウィリン・ロサリオ(阪神)が筆頭に挙げられる。メジャーではロッキーズに在籍した5年間で通算447試合に出場し、打率.273、71本塁打241打点を誇る右の大砲だ。2012年からの3年間はレギュラー捕手としていずれも100試合以上の出場を果たしている。2016年からは韓国球界に活躍の場を移し、2年間で通算246試合、打率.330、70本塁打231打点の好成績を残した。ドミニカ出身の28歳、日本球界でのさらなる成長も期待できる。
一方、投手で断トツの実績を誇るのが、中日が獲得したディロン・ジー。メッツに在籍していた2010年にメジャーデビューを果たすと、2011年に13勝、2013年に12勝と二度の2桁勝利を記録している。メジャー通算8年間で4つの球団を渡り歩き、165試合に出場して防御率4.09。通算51勝(48敗)を挙げた経験値の高さが光る。直球にツーシーム、カットボール、ナックルカーブ、チェンジアップ、スライダーなど多彩な球種を武器に、“エース不在”ともいわれる中日先発陣の核となれるか。
日本球界で実績を残した選手の他球団移籍も活発
ヤクルトのデーブ・ハフにも要注目だ。メジャーでは2009年から2016年までの8年間で120試合25勝30敗。5.17という防御率に不安もあるが、韓国LGに移籍した2017年は19試合に登板して6勝4敗、防御率2.38という好成績を残した。最優秀防御率ですら3点台が当たり前の韓国球界での数字と考えると、投手の駒不足に泣くヤクルトファンの期待も膨らむというもの。
巨人のテイラー・ヤングマンはメジャー通算30試合9勝13敗、防御率4.54。メジャー実績ではジーやハフに劣るものの、2011年にドラフト1巡目(全体12位)でブルワーズ入りし、当時の全米有望株100傑にも名を連ねた逸材だ。直近シーズンの2017年に3Aながら9勝2敗、防御率2.59という好成績を残している点でも期待値は上がる。身長198センチの体躯から繰り出す150キロ超の直球にツーシーム、スライダー、カーブ、チェンジアップを交えるという投球スタイルは、フォームも含めて2017年限りで巨人を退団したマイコラスを思わせる。果たして、超優良助っ人・マイコラスが抜けた大き過ぎる穴を埋められるか。
また、セ・リーグではすでに日本球界で実績を残している助っ人の移籍も目立つ。ゲレーロ(前中日)が巨人に、アルメンゴ(前中日/中日時代の登録名はジョーダン)がヤクルトに移籍したほか、2016年までソフトバンクに在籍し、2015年には17試合連続ホールドのプロ野球記録に並ぶなど20ホールドを記録したバリオスをDeNAが獲得している。
実績の高さゆえに首脳陣から大きな期待を寄せられているであろう新外国人たち。それだけに、彼らの日本球界における成否がペナントの行方を左右するということもありそうだ。
文=清家茂樹(せいけ・しげき)