メッセンジャーは外国人最長の4年連続
2月1日から各地ではじまった春季キャンプも終盤を迎え、紅白戦や練習試合を行うチームが増えてきた。ここからオープン戦などを経て、開幕戦へ向けた本格的なメンバー選考に入っていく。そのなかで大きな注目を集めるのが開幕投手だ。
現時点では、菅野智之(巨人)、菊池雄星(西武)、メッセンジャー(阪神)、則本昂大(楽天)らに“内定”が出ていると言われている。ローテーションや今後の日程などの関係もあるが、当然、その他の球団もエース、またはそれに準ずる投手を登板させることになるだろう。ここでは、そんな開幕投手にまつわるトリビアを紹介したい。
すでに、4年連続の開幕投手が告げられているのがメッセンジャーだ。これまで外国人投手では、1961年〜1963年のスタンカ(南海)による3年連続が最長だった。昨シーズン、外国人投手として史上最多となる4度目の開幕投手となったが、今シーズンは連続年数でも金字塔を打ち立てる。
辻発彦監督から開幕投手と記された色紙を託されたという菊池。アクシデントもなく、このまま登板すれば、西武の左腕では史上初めて3年連続の開幕投手となる。これまでは、工藤公康(現・ソフトバンク監督)が1988年〜1989年に登板した2年連続が最長。また、回数も工藤と並び最多タイの3回目。球団の左腕エースとして歴史に名を残すことになりそうだ。
楽天の開幕投手は日本人の右投手のみ
かつては、右の本格派、なおかつ日本人というイメージがあった開幕投手だが、昨シーズンは外国人投手が3人、また、日本人を含め6人が左腕だった。珍しくなくなった外国人投手や左腕による開幕投手だが、楽天は、そのどちらも開幕投手となったことがない。2005年から岩隈久志、一場靖弘、田中将大、則本昂大、美馬学と、ここまで右の日本人投手が開幕戦を任されている。
その他の11球団は、楽天の参入初年度となった2005年以降に、外国人もしくは左腕の開幕投手が必ず存在している。そのことからも、創設以来、日本人エース右腕が常にチームを引っ張ってきたことがわかる。そして今シーズンも右腕の則本が開幕のマウンドに上がる見込み。若手に目を向けても、安楽智大、藤平尚真といった右腕がおり、この系譜は今後も継続されそうだ。
昨シーズン最下位に沈んだヤクルトとロッテの開幕投手は、現段階では明らかになっていない。ヤクルトは小川泰弘が本命だが、故障明けということもありベテランの石川雅規に白羽の矢が立つ可能性もある。一方のロッテは涌井秀章の残留が決定し、開幕投手の大本命となっている。
涌井は現役最多となる8度の開幕投手を務めており、9度目の栄誉を目指すことになる。最下位からの巻き返しを図るためにも、開幕戦で経験豊富なふたりで白星を飾り、弾みをつけたいところだ。
プロ野球において開幕戦は大きな意味を持っている、と考える監督は多い。143試合の中の1試合ではあるが、長いシーズンのはじまりということもあり、その重みはちがってくるということだろう。まずは春季キャンプ・オープン戦でケガをせず、万全な状態でその日を迎えてもらいたい。