コラム 2018.04.02. 19:35

ついに投手デビュー!大谷が投じた92球を徹底解剖

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ストレートの平均球速は約157キロだった

92球の球種・コース・球速を分析


 日本時間2日早朝、注目の若き右腕がついに“投手デビュー”を果たした。メジャー初マウンドにのぼった大谷翔平は、2回裏に本塁打を含む3連打を浴び3点を失ったが、それ以外はほぼ完ぺきな投球を見せ、6回3失点の好投。味方打線の援護にも恵まれ、初登板で初勝利を飾った。

 大谷がアスレチックス打線に投じた球数は合計92球。それらを「球種」を中心に「コース」と「球速」などの要素を絡めて分析してみた。

 まず大谷が投じた92球の球種別割合は以下の通りだ。中にはスライダーとカーブなど判別が難しい投球もあったが、球の曲がりなどから独自に判断した。

【大谷翔平 アスレチックス戦の球種割合】
フォーシーム 42.4%(39球)
スライダー   28.3%(26球)
スプリット   26.1%(24球)
カーブ     3.3%( 3球)

 大谷が最も多く投じたのはフォーシーム。最速は100マイル(約160.9キロ)を計測した。フォーシーム全39球の平均球速は97.8マイル(157.4キロ)だったが、実は球数が70球を超えた5回以降から突如球速が低下していた。

【イニング別のフォーシーム平均球速】
1~4回 98.2マイル(158.0キロ)
5~6回 96.6マイル(155.4キロ)

 当然デビュー戦による疲労が球速低下につながった面もあるだろう。しかし、リードをもらった5回以降は、長打を警戒してより丁寧にコーナーを突く投球に切り替えた印象。実際に4回まではど真ん中のフォーシームも目立っていたが(6球)、5回以降はほとんどなかった(1球)。大谷としては、ある程度フォーシームの球速を落としても相手打線を打ち取れたことは大きな収穫だったはずだ。

 続いて26球を投じたスライダーはどうだっただろうか。この試合の2回裏、7番打者のチャプマンに3ランを許したが、それまでは高めに浮く投球が目立った。特にスライダーに関しては、チャプマンの打席まで10球中9球が高めに浮いていた。次打者以降はスライダー16球のうち高めは5球のみ。序盤からスライダーを低めに制球できていれば、失点は減っていたかもしれない。


チャプマンの一発を境に


 スライダーを含めた全球種を見ても、2回のチャプマンまでの25球中低めへの投球は4球だけ(16.0%)。しかし、次打者以降は67球中31球を低めに集めた(46.3%)。チャプマンの一発が大谷にとって“いいきっかけ”となった部分もあるだろう。

 フォーシーム、スライダーともに悪くはなかったが、この試合で最も良かったのが大谷のウイニングショットともいえるスプリットだろう。その数は24球だけだったが、スプリットの球速は、試合を通じて88~91マイル(141.6~146.4キロ)と安定していた。

 スプリット24球中19球を低めに集め、ボールゾーンへの投球が15球あった。この15球のうち、打者がスイングしたのは約半分の8球。そのうち7球で空振りを奪い、残る1球はピッチャーゴロだった。低めのボールゾーンに投じたスプリットをファウルで粘られると球数がかさむ要因となるが、この試合ではその心配はなかったようだ。

 また球種とは関係ないが、試合序盤は「ストライクを先行させたい」という気持ちが強すぎたことも3失点につながったのではないだろうか。失点した2回裏まで打者9人中8人に対し、初球でストライクを奪っていた(88.9%)。しかし3回以降は、その率は38.5%まで低下。失点してからは、初球をボールゾーンから入る精神的な余裕を持つことができたといっていいだろう。

 6回3失点は“投手”大谷の実力からすると、若干の物足りなさも感じるが、初マウンドで投じた“92球”から多くのことを学べたはずだ。果たして次の登板ではどういった投球を見せてくれるのか、その投球が今から楽しみだ。


文=八木遊(やぎ・ゆう)

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