コラム 2018.04.16. 11:53

ヤクルトの好スタートを支える最後の近鉄戦士たち

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リーグ首位打者でもオールスターは出られない!?

打撃好調の坂口智隆は慣れない一塁守備でも貢献


 ヤクルト・坂口智隆の打撃が好調だ。オリックス時代の2011年、175安打を放って最多安打のタイトルを獲得したヒットメーカーではあるが、今季は過去最高のペースで安打を量産している。4月15日の阪神戦では第3打席までノーヒットに抑えられていたが、先頭で迎えた9回、石崎剛の真ん中高め直球にバットを合わせて中堅前へ抜けるヒットを記録。試合には敗れたが、最終回に反撃の口火を切ってチームを鼓舞した。

 前日4月14日の阪神戦ではうれしい今季第1号本塁打もマーク。1-0と最小リードで迎えた7回、秋山拓巳の初球をたたき上げると、打球は甲子園の浜風を切り裂き右中間スタンドに飛び込んだ。点差を広げる貴重な1本が、チームを6-0での快勝に導いた。好スタートを切った坂口。ここまでの17安打、打率.347、長打率.490、出塁率.431はいずれもチームトップの数字である。

 さらに、今季の坂口はバットだけでなく、守備でもチームに大きく貢献している。畠山和洋のコンディション不良によって、本職の外野のほかに一塁での出場も増加。外野手として4度のゴールデングラブ賞に輝いた名手ではあるが、不慣れな一塁守備ということもあり、4月3日の広島戦では敗戦に直結する失策を犯してしまった。しかし、「やるからには言い訳できない」と、開幕前から入念な準備をしてきた坂口は、その試合以降、1失策も記録していない。起用法を問わず、チームに献身している。


近藤一樹は今季も場面を問わずフル回転


 坂口といえば、現役最後の近鉄出身野手でもある。そして、ヤクルトでは現役最後の近鉄出身投手もチームのために大車輪の働きを見せている。坂口の1年先輩に当たる近藤一樹だ。

 ヤクルトには2016年7月に八木亮祐とのトレードによりオリックスから移籍。そのシーズンはオリックスで5試合の先発、ヤクルトで8試合のリリーフ登板にとどまったが、昨季はまさにフル回転。防御率こそ4.72と振るわなかったが、場面を問わずマウンドに上がり、チーム3位の54試合に登板。台所事情の苦しいヤクルト投手陣を支えた。

 今季もすでにチーム3位の6試合に登板。坂口が第1号本塁打を放った4月14日の阪神戦では、1点を先制した直後の6回、2死二、三塁となった場面で先発・石川雅規に代わって登場。気迫あふれる投球で大山悠輔を空振り三振に斬って取り、首脳陣の期待に完璧なかたちで応えてみせた。

 近藤は3月31日のDeNA戦でも石川をリリーフしている。その試合、近藤の今季初登板は、5-3と2点差に迫られ、なおも2死一、三塁というしびれる場面で訪れた。石川に代わりマウンドに上がった近藤は、桑原将志の内角を突いて三飛に打ち取って見事な火消しぶりを披露。ここまで6試合5回1/3を投げて無失点とあって、今後は重要な場面でマウンドに送られることも増えるだろう。

 昨季の低迷から一転、好スタートを切ったヤクルトをふたりの近鉄戦士が支えている。
※数字は4月15日終了時点


文=清家茂樹(せいけ・しげき)
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