コラム

2年目の辻西武 快進撃のなかの不安要素

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開幕ダッシュに成功した辻西武ですが…?(C)KYODO NEWS IMAGES

投打かみ合い快進撃


 開幕から15試合前後を消化したプロ野球の2018年。パ・リーグでは、昨シーズン2位に躍進した西武が好調だ。

 辻発彦監督就任2年目のチームは開幕8連勝のロケットスタートを決めるなど、15試合で11勝4敗の貯金「7」。本拠地移転40周年のメモリアルイヤーに快進撃を見せている。


 好調の要因は大きく分けてふたつある。ひとつは『先発陣の踏ん張り』だ。

 昨オフに野上亮磨がFAで移籍したこともあり、弱点として指摘されることも多かった先発陣。ところが、フタを開けてみれば開幕から7試合連続で先発投手が勝利。全員がクオリティ・スタート(6回を投げて自責点3以内)を達成するなど、識者の期待を裏切る結果となった。

 ここに来てブライアン・ウルフが登録抹消になるなど、まだまだ不安要素であることは否めないが、エースの菊池雄星に続いて3年目の多和田真三郎が3戦3勝をマークするなど、全体的に頑張りが目立っている。 

 そして、もうひとつが持ち前の強力打線だ。

 昨シーズンの首位打者・秋山翔吾を筆頭に、新人王に輝いたつなぎ役・源田壮亮、そして今年は開幕から4番に座る山川穂高に、11月のアジアCSでブレイクした外崎修汰、極めつけは捕手と指名打者で併用されている森友哉と、3割を超える打者がずらりと並ぶ。

 ほかにも、規定打席には到達していないが、扇の要・炭谷銀仁朗がここまで打率.409と絶好調。ベテランの栗山巧も打率.294を残しており、どこからでも点が取れる打線を形成している。下位打線でもまったく気が抜けない強力打線に、相手投手はプレッシャーを背負いっぱなしの状態が続く。


実力者たちが不調…


 投打ともに期待以上の活躍が光る一方、気になるのが軸となるべき選手たちの不調である。

 たとえば、中村剛也やエルネスト・メヒアという本塁打王経験者の不振は深刻だ。ここまで両選手とも打率は2割に届いておらず、なんと本塁打も0。メヒアは指名打者枠の関係で当初から森と併用されていたが、中村も4月14日の楽天戦ではスタメン落ちを経験している。

 チームとしては、山川が4番としてリーグトップタイの5本塁打を放つなど、ここまでリーグ3位の12本塁打を記録。長打力不足に悩んでいるわけではない。しかし、彼らが元気かどうかによって、相手バッテリーに与える心理的なプレッシャーは大きく変わってくるだろう。目覚めのときを待ちたい。

 2016年に盗塁王となった金子侑司も、不振にあえいでいる。昨シーズンは故障もあって90試合の出場に留まったが、打率.272で25盗塁とまずまずの成績を残していた。しかし、今シーズンはチーム2位の5盗塁をマークしているものの、打率は.128と絶不調。9番に座ることの多い金子侑に勢いがつけば、打線の流れはさらに良くなるだけに、こちらも復調が待たれる。

 さらに、2013年の打点王である浅村栄斗も本調子とは言えない。ここまでの打率.270、3本、12打点という数字は決して悪くはないが、やはり主将であり打線の軸であるこの男に求められるものは大きく、そのハードルも高い。前後を打つ1・2・4・5番がいずれも好調なだけに、浅村も状態を上げていきたいところだ。


 本調子ではない選手たちがこれだけいながら勝てているという見方もあるが、「打線は水もの」とよく言われるように、いつこの良い流れが止まってしまうかは分からない。その時にはいま不振に苦しむ選手たちがカバーできるように、トンネルを脱出しておくことがカギになる。

 メモリアルイヤーに10年ぶりの優勝・日本一を…。快進撃をつづける西武の今後に注目だ。


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