コラム

帰ってきた“オリの希望”西野真弘「目標はレギュラー」

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再昇格後は打率.333と好調なオリックス・西野 [写真=垪和さえ]

どら増田のオリ熱魂 第30回・西野真弘


 「お疲れさまです!」。ひさびさに人懐っこい笑顔がオリックスの一軍に戻ってきた。

 デビューイヤーだった3年前の4月29日、女性ファン向けイベント『Bsオリ姫デー』の記念すべき第1回目の試合で、プロ初本塁打を含む大活躍を見せ、ドラフト7位指名から1日にしてシンデレラ・ボーイとなった西野真弘は、今でも「あのオリ姫デーは思い入れのある一日」と振り返る。

 その後の西野は、低空飛行を続けるチームの中で孤軍奮闘。ファンからは「オリの希望」と呼ばれ、後半戦の巻き返しに向けてチームの起爆剤になると期待されていた。ところが7月2日の日本ハム戦。大谷翔平が投じた球を空振りした際に、右手首に痛みを感じ、有鈎骨骨折が判明。残りのシーズンを棒に振ってしまう。

 しかし、これがファンから西野に対するさらなる期待につながり、西野もファンや首脳陣の期待に応えるべく、2年目は143試合全試合に出場。規定打席に到達するも打率.264という結果に終わった。


勝負の4年目


 前年に驚異的な数字を弾き出していた得点圏打率も「.425」から「.276」となり、守備面でも17失策と精彩を欠いた。また、全試合に出場したものの、「今年は全試合に出場したのではなく、出場させてもらっただけ」と、あくまで勝ち取ったものではないことを強調した。

 3年目の昨年は尊敬する平野恵一氏(現・阪神コーチ)から継承する形で背番号を「5」に変更。真のレギュラーを目指したが、2年目を迎えた大城滉二の存在もあり、出場は100試合にとどまった。

 そして4年目の今年は、春季キャンプから一軍と二軍を行き来し、4年連続で開幕一軍の切符を掴んだものの、代打で2試合起用されただけで4月4日に抹消。しかし、「ファームでは1カ月間、自分と向き合って、いつ呼ばれてもいい状態を作っていた」と語ったとおり、5月15日の昇格後は(スタメンの際には)2番に入り、ここまで打率.333と結果を残している。


打撃フォームを改造


 17日のロッテ戦の練習後に話をしたときの西野は終始笑顔。昨年の秋季キャンプからバッティングフォームの改造に着手しており、それが実を結び始めてきたという。秋季キャンプで見た西野のフォームは誰が見てもわかるほど、これまでのフォームと変わっていた。

「本当にバラバラだったので、まずはそれをしっかりしたものにしようと、秋のキャンプ、オフの自主トレ、春のキャンプから今にかけてやってきました。たぶん打撃の見た目はあまり変わってないと思うんです。スイング自体はずっと変えずに今は(構えたときの)トップの形を少し変えてみたりと、打席の中でやっています」

 西野にとってZOZOマリンは2年前に5打数5安打を記録した球場。その話を向けると、「またあれぐらい打てるように頑張ります」と話していたが、17日の試合では3打数3安打の猛打賞と再びの大活躍だった。


愛される選手になりたい


 チームが勝ったこともあり、試合後は「良かったです」と笑顔でバスに向かったが、その活躍を本人より喜んでいたのが福良監督だ。指揮官は「秋からやってきたことが形になってきたんじゃないですかね」と目を細めていた。


「ファンの皆さんから『早く一軍に上がってください』とか『上で待ってます』とか、たくさん励ましの言葉をいただいたので、もっと活躍してさらに愛される選手になりたいです。たくさん笑顔でいられるように。それから……。今でもレギュラーを獲る気持ちは忘れずにやっているので、隙があればいつでも獲りにいきます!」

 西野は“キラつき”だけではなく、“ギラつき”も取り戻したようだ。

 今からでも遅くはない。チームも借金を返済し、これから上位をうかがおうというところ。ギラつく“オリの希望”が、6月反攻の起爆剤になる。


取材・文=どら増田(どらますだ)
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