コラム 2018.06.26. 11:30

起爆剤か、それとも…?監督途中交代後のチーム成績

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7勝目を挙げた岸(左)と笑顔で言葉を交わす楽天・平石監督代行=楽天生命パーク

前評判の高かった楽天の不振


 6月16日、楽天は梨田昌孝監督の辞任を発表。その後任として“監督代行”に指名されたのが、一軍ヘッド兼打撃コーチを務めていた平石洋介だ。

 昨季は前半戦を首位で折り返し、最終的には3位でクライマックスシリーズに進出した。今季は絶対王者・ソフトバンクの牙城を崩す可能性もあるとして、期待の高まるなかで新シーズンを迎えたが、開幕からまさかの超低空飛行。エースである則本昂大やクローザーの松井裕樹らの不振が響いたとはいえ、梨田監督辞任時のチームは21勝41敗の借金「20」という成績だった。

 5月には自力優勝の可能性も消滅し、自身で決めていたというリミット「借金20」に到達したことで今回の結論に至ったとのこと。近鉄、日本ハムをそれぞれリーグ優勝に導いた名将にとっては、受け入れがたい成績だっただろう。

 今回のように、プロ野球界にはシーズン途中で監督が休養・辞任(解任)するケースがあり、2000年以降に絞って見ても、今回を含めて11例あった。特に、2010年以降はほぼ毎年のようにシーズン途中で監督が変わっている。

 不振のチームに喝を入れるために、もっとも手っ取り早いのが監督の途中交代。指揮官や起用法が替わることでチームが活性化する例もあれば、一方で一度狂った歯車が戻らずにそのままズルズルと落ち込むケースも見られる。今回は、そんなシーズン途中に監督が交代したチームを調べてみた。


パの交代は効果あり!?


 検証したのは2000年以降のシーズン途中に監督交代があったチーム。交代前/交代後の成績と、翌年の監督人事に影響があるかも調べてみた。まずはパ・リーグから見てみよう。

▼ 2003年4月23日:オリックス
・石毛宏典 ⇒ レオン
退任時:7勝12敗1分(6位)
交代後:38勝76敗3分(6位)
翌年の監督:伊原春樹

▼ 2008年5月21日:オリックス
・コリンズ ⇒大石大二郎
退任時:21勝28敗(5位)
交代後:54勝44敗1分(2位)
翌年の監督:大石大二郎(続投)

▼ 2012年9月24日:オリックス
・岡田彰布 ⇒ 森脇浩司
退任時:50勝72敗10分(6位)
交代後:7勝2敗(6位)
翌年の監督:森脇浩司(続投)

▼ 2014年6月4日:西武
・伊原春樹 ⇒ 田辺徳雄
退任時:20勝33敗(6位)
交代後:43勝44敗4分(5位)
翌年の監督:田辺徳雄(続投)

▼ 2015年5月31日:オリックス
・森脇浩司 ⇒ 福良淳一
退任時:19勝34敗1分(6位)
交代後:42勝46敗1分(5位)
翌年の監督:福良淳一(続投)

▼ 2018年6月16日:楽天
・梨田昌孝 ⇒ 平石洋介
退任時:21勝41敗(6位)
交代後:4勝1敗(6位)
※6月24日終了時点

 まず目を引くのが、6例中4例というオリックスの多さ。森脇浩司に至っては、監督代行後に正式に監督になり、その2年後には成績不振が理由で自身が追われるなどチグハグな人事が目立った。2000年以降、毎年のように監督が変わっていては思うようなチームづくりはなかなか難しいものがある。

 そして、代行監督が指揮を執るようになってから順位が上がった例が3例、そして勝ち越したのは2例と意外にも監督を変えたことで一定の成果は出ていて、この好成績が認められ翌年には正式に監督に就任するというケースがほとんどだ。

 唯一、どちらにも該当しなかったレオンが翌年の監督に就けなかったというのも印象的だ。


監督続投のセオリーが当てはまらなかったチームも


 続いて、セ・リーグの5例を見てみよう。

▼ 2002年9月25日:横浜
・森祇晶 ⇒ 黒江透修
退任時:43勝78敗5分(6位)
交代後:6勝8敗(6位)
翌年の監督:山下大輔

▼ 2003年9月7日:中日
・山田久志 ⇒ 佐々木恭介
退任時:59勝61敗(5位)
交代後:14勝5敗1分(2位)
翌年の監督:落合博満

▼ 2009年5月17日:横浜
・大矢明彦 ⇒ 田代富雄
退任時:13勝24敗(6位)
交代後:38勝69敗(6位)
翌年の監督:尾花高夫

▼ 2010年5月26日:ヤクルト
・高田繁 ⇒ 小川淳司
退任時:13勝32敗1分(6位)
交代後:59勝36敗3分(4位)
翌年の監督:小川淳司(続投)

▼ 2016年8月8日:中日
・谷繁元信 ⇒ 森繫和
退任時:43勝58敗3分(5位)
交代後:14勝24敗(6位)
翌年の監督:森繁和(続投)

 最下位独走中だったチームをCS争いまで躍進させた2010年の小川淳司が目立つが、それ以外はパ・リーグに比べるとさほど変化がない印象。パ・リーグの例を紹介した際に、「交代後に順位を上げるか勝ち越していれば、代行監督は翌年も続投する」という傾向が出ていたが、それに当てはまらなかったのが中日だった。

 2003年、2~5位が2ゲーム差以内に密集しているという混戦でバトンを受けた佐々木恭介が監督代行を務めると、14勝5敗という好成績で一気に貯金を7つ増やして2位に浮上してシーズンを終えたが、佐々木はこの年を最後にチームから離れ、間もなく中日でもプレー経験のある落合博満が監督に就任した。

 そして、谷繫元信の辞任後に代行を務めた森繁和監督は、負け越して順位もひとつ落としたが、翌2017年には監督に就任し、今季も采配を揮っている。


 果たして、新たに指揮を執ることになった平石洋介“監督代行”は、チームを見事立て直し、巻き返しを図ることができるのか!? 残り75試合、楽天の反攻に期待したい。


文=福嶌弘(ふくしま・ひろし)


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