コラム 2018.11.02. 15:00

“呪い”を解いたレッドソックスの強さ ワールドシリーズの勝率は7割に迫る

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ワールドチャンピオンに輝いたレッドソックス

呪いが解かれたレッドソックスの強さ


 ボストン・レッドソックスの5年ぶり9度目の世界一で幕を閉じた2018年のメジャーリーグ。レギュラーシーズンで108勝を挙げた強さをポストシーズンでもまざまざと見せつけた。

 ワールドシリーズの歴史をひもとくと、レッドソックスは記念すべき第1回・1903年の覇者でもある(当時の名称はボストン・アメリカンズ)。今年で通算9度目の世界一となったが、野手を中心に中堅、若手が多く来季も優勝候補筆頭になるだろう。もしレッドソックスがワールドシリーズ連覇を果たせば、ニューヨーク・ヤンキースとセントルイス・カージナルスに次いで史上3チーム目の10度目の世界一となる。


 2004年に「バンビーノの呪い」が解かれて以降、04年も含めてレッドソックスは実に15シーズンで4度、ワールドシリーズに進出。いずれも世界一に輝いている。しかもその4度の合計成績は16勝3敗と圧倒的だ。

 それ以前は1946年から1986年までの間に合計4度ワールドシリーズに進出したが、いずれも3勝4敗で敗退。レッドソックスにとって、まさに呪いにかかっているかのような戦いぶりだった。


勝ちきれないドジャース


 ここ15年のワールドシリーズで圧倒的な強さを誇るレッドソックスと対照的なのが、今季の頂上決戦で打ちのめされたロサンゼルス・ドジャースだ。

 歴史的に見ても、ドジャースは大舞台に弱いことがわかる。ドジャースがワールドシリーズに進出した回数はレッドソックスの13回を大きく上回る20回にも上るが、世界一に輝いたのはわずかに6度だけ。その優勝確率は30%(6/20)で、ワールドシリーズに10回以上出場している8チームの中ではシカゴ・カブス(11回中3回=27.3%)に次いでワースト2位となっている。

 といっても、1958年にロサンゼルスに移転して以降は11回の出場で5度世界一に輝いている。弱かったのはブルックリン時代、9回の出場で世界一の輝いたのは1度だけだった。

 来季はナ・リーグ3連覇、そして1988年以来の世界一を目指すドジャース。絶対的エースであるクレイトン・カーショーの動向なども気になるが、来年もナ・リーグは、ドジャースが中心となるだろう。

 ドジャースにとって3度目の正直はなるか、それとも……。


▼ WSに10回以上出場しているチームの優勝確率

69.2% ボストン・レッドソックス(出場13回:優勝9回)
67.5% ニューヨーク・ヤンキース(出場40回:優勝27回)
64.3% オークランド・アスレチックス(出場14回:優勝9回)
57.9% セントルイス・カージナルス(出場19回:優勝11回)
40.0% サンフランシスコ・ジャイアンツ(出場20回:優勝8回)
36.4% デトロイト・タイガース(出場11回:優勝4回)
30.0% ロサンゼルス・ドジャース(出場20回:優勝6回)
27.3% シカゴ・カブス(出場11回:優勝3回)



文=八木遊(やぎ・ゆう)


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