コラム 2018.12.10. 17:00

大型補強を進める第3次原政権を占う! 過去の監督就任1年目の成績は?

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巨人を代表するスター2人の共通点(C)Kyodo News

超積極的な補強策を進める巨人


 かつて「金満球団」と揶揄されることも多かった巨人が、久しぶりに大補強に乗り出している。

 今季、米パドレスで110試合に出場して20本塁打を放っているビヤヌエバ、オリックスを自由契約となっていた中島宏之の獲得を皮切りに、炭谷銀仁朗、丸佳浩と、FA権を行使していた注目選手の獲得にも相次いで成功。それでも手を緩めることなく、12月6日には岩隈久志と契約を結ぶことに合意したことを発表した。

 今季の巨人は球団史上ワーストタイとなる4年連続でのV逸となった。なんとか3位に滑り込んだものの、CSファイナルステージではいいところなく広島に全敗。3試合でわずか3得点と、シーズン中から指摘されていた得点力不足を露呈するかたちとなった。

 高橋由伸前監督が退き、来季の指揮を執るのは原辰徳監督。球団史上初となる3度目の監督就任である。過去、監督として12シーズンで7度のリーグ優勝、3度の日本一を誇る名将に復権を託し、チームとしてなんとしてでも結果が欲しいところだろう。積極的な補強策に打って出るのも当然といえる。


対照的な過去2度の就任1年目成績


 では、過去2度の原政権1年目はどんなシーズンを送ったのか。来季を占う意味で振り返ってみたい。まずは初めて原監督が誕生した2002年。前年まで指揮を執っていた長嶋茂雄監督が監督業を退くこととなり、原監督が一軍ヘッドコーチから昇格して後を引き継いだ。前年の巨人はリーグ最多196本塁打を記録するなど打線が好調だったが、チーム防御率はリーグワーストの4.45と投手陣が崩壊。3ゲーム差でヤクルトにリーグ優勝をさらわれてしまった。

 打力と投手力のバランスでいえば、現在と対照的だといえる。ただ、この年のオフには、今オフのような大型補強はなかった。目立っていたのは中日からFA移籍した前田幸長の加入くらいだろう。そして、2002年シーズンにはその前田がセットアッパーとして活躍し、河原純一がクローザーに定着。また、上原浩治、工藤公康、桑田真澄、高橋尚成ら先発陣が復調し、2位ヤクルトに11ゲーム差をつける独走で見事リーグ優勝。その後の日本シリーズでも西武に4勝無敗のストレート勝ちを収め、原監督は就任1年目にして日本一に輝いた。

 一方、第2次原政権の1年目となった2006年は対照的な結果となった。前年の2005年は8年ぶりのBクラスとなる5位に沈み、その責任を取るかたちで就任2年目だった堀内恒夫監督が退任。そのオフには、清原和博、江藤智、元木大介、ローズ、シコースキー、岡島秀樹ら多くの主力級選手が退団する一方で、FA宣言していた豊田清と野口茂樹、前年にオリックスで14勝を挙げたパウエル、さらにロッテから小坂誠、李承燁(イ・スンヨプ)を獲得。シーズン開幕後も小関竜也や木村拓也、アリアスらを獲得するなど、積極的な補強策に出た。

 すると、シーズン序盤は4月にいきなり「12」の貯金をつくるなど開幕ダッシュに成功。ところが、6月以降は一気に失速してしまう。その原因は、高橋由伸、小久保裕紀、阿部慎之助らの故障による戦線離脱だった。この年のチーム本塁打は前年より50本以上も数を減らしている。結局、この年の巨人は球団史上初の2年連続Bクラスとなる4位に終わった。なお、原監督が指揮を執った過去12シーズンのうち、Bクラスとなったのはこの年だけである。

 果たして、2006年シーズン同様に大補強を敢行して臨む第3次原政権1年目は、どんな展開となるだろうか--。


▼ 原政権前後のリーグ成績
01年:2位(140試合75勝63敗2分/勝率.543)
02年:1位(140試合86勝52敗2分/勝率.623)
――――
05年:5位(146試合62勝80敗4分/勝率.437)
06年:4位(146試合65勝79敗2分/勝率.451)
――――
18年:3位(143試合67勝71敗5分/勝率.486)


▼ 原政権前後のチーム打撃成績
01年:打率.271(2位)/196本塁打(1位)/688得点(1位)
02年:打率.272(1位)/186本塁打(1位)/691得点(1位)
――――
05年:打率.260(6位)/128本塁打(6位)/617得点(4位)
06年:打率.251(6位)/134本塁打(3位)/552得点(5位)
――――
18年:打率.257(4位)/152本塁打(3位)/625得点(3位)

▼ 原政権前後のチーム投手成績
01年:防御率4.45(6位)/981奪三振(2位)/659失点(6位)
02年:防御率3.04(1位)/1087奪三振(1位)/485失点(1位)
――――
05年:防御率4.79846(6位)/1106奪三振(2位)/737失点(5位)
06年:防御率3.65(3位)/1027奪三振(3位)/592失点(3位)
――――
18年:防御率3.79(1位)/1040奪三振(4位)/575失点(1位)


文=清家茂樹(せいけ・しげき)

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